第76話 美少女のパンティーを眺めていたら、モンスターが出てきた?
何だよ。結局言わずじまいか。少々がっかりだ。
というか、あいつ……
リードを持ったまま走ってるじゃないか!バッカヤロー。
窒息死したらどうしてくれるんだ!
「待てー」
決して離されぬよう、全速力で先輩のあとを追いかける。
「来るなー。さっきのはなかった事にすると言ったではないか。なのに、どうして追いかけてくる?」
「それはお前がリードを持って走ってるからだろうが。嫌だったら、ただちに離せ」
「い、嫌だ。これは私が高い金を出して買った物だ。簡単に捨ててなるものか」
「なら、今すぐ止まれ」
「うるさい。お前の卑怯な手になど引っかかってたまるか。どうせ、私が止まった隙に話の続きを聞くつもりなのであろう」
くっそー。
ああ言えばこう言いやがって。
ちっとも止まりやがらない。
こうなったら魔法でもぶちかましてやりたい所だが、奴が物凄いスピードで走ってるおかげでパンティーが丸見え状態だ。
しばらくは静観と行こう。
浮ついた状態で誰もいない街道を走り続けていると、突然空から怪しげな音が聞こえてくる。
うん?なんだ?ハエが近くにやってきた時に生じる音と心なしか似ている。
ただ、どうやらその音とはちょっと違うようだ。
走りながら空を見上げてみると、こっちへ向かってくる複数の飛行モンスターが目に入る。
うわっ。まじか。
なんてタイミングでモンスターが登場してくるんだよ。あれはおそらく、マルキューリ。
サイズはさほど大きくないが、カブトムシのような見た目でスピードがかなりある。
また体が物凄く丈夫な為、体当たりされた日には大けがをするのは必須だ。
そんな奴等が何体もいるのだから、極めてまずい状況だ。
さっさと倒すしかないぞ。
「我が敵に雷を――」
「紅蓮の炎に焼かれろ。アースシェイドイリティウス」
詠唱途中で先輩の邪魔が入り、魔法発動はあっけなく失敗に終わる。
何すんだよ、もう。これじゃ、俺があまりにもダサすぎるじゃないか。
あー。恥ずかしい。やがて先輩の手のひらから赤く丸い玉が飛び出し、上空へと上がっていく。
なんじゃ、ありゃ。時間の経過と共に丸いのがどんどん大きくなっている。
一体、何が起ころうとしてるんだ?
そうこうしているウチに赤い玉が、敵のいない上空二十メートル程で動きを止めた。
そしてなおも巨大化を続けようとした次の瞬間、玉がひび割れし、大規模な大爆発が発生する。
う……
凄え。なんて爆風だ。
さすがAランクが放った魔法と言いたい所だが、肝心のマルキューりに攻撃が当たってない。
おそらくは精神が安定しない状態で魔法を放ったもんだから、上手くいかなかったんだろう。
こりゃ、正しく俺の出番だ。




