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第64話 許さん!地獄へ葬ってやる!

 う……

 こりゃ、殺される。

 どうにかしてなだめなければ。


「ちょ、ちょっと落ち着いてくれ。話せば分かる」

「黙れ! 地獄へと葬ってやる!」

 座りながらの体勢でイザベルがゆっくり顔を上げる。

 その表情は予想していた通り、とてつもなく険しい。


 ダ、ダメだ……

 許して貰える所か話すら聞いて貰えなそうだ。

 もはや逃げるしかない。


「あ、イザベルの右斜めうしろに校長がいる」

 ただ普通に逃げても捕まる可能性が高い為、嘘で隙を伺う。


「何?」

 まんまとイザベルがうしろを振り向き、周囲を見回す。

 よし。今だ!足音を立てぬよう静かにドアの前まで移動し、扉をそっと開く。

  

「おい、校長はどこだ? 誰もいないぞ。も、もしかしてベッドの下に隠れたのか?」

 フフ。どうやら、まだ嘘に気付いていないようだな。

 あいつが単純バカでよかった。そのまま外へ脱出し、保健室から三十メートル程距離を取る。

 

 さすがにこんくらい離れれば、捕まる心配もないだろう。

 ようやく一安心と言いたい所だが、相手はあの超人イザベルだ。

 一瞬たりとも気は抜けない。走行を続けたまま階段を駆け上がり、四階へ向かう。


 考えるまでもなく、イザベルの身体能力は俺にとって脅威と言えるだろう。

 おそらくずっと走り続けていたら、いずれ捕まってしまうに違いない。

 それを避けるにはどこかに身を潜めるのがベストだ。

 

 かといって二階から近い一階と三階に身を潜めるのは何かと不安だし、最上階である

五階は、どういう訳か女子が着替えを行う場所として使用されている。


 残念ながら、一つしか選択肢はない訳だ。

 とっとと行こう。人に見つからないよう慎重に移動し、まもなく四階に到着する。

 そういやここに来るのは初めてだな。正直、少し不安だ。

 

 ただ、構造自体は二階と同じハズ。

 きっと左側通路にクラスルーム、右側通路にときたま利用する臨時教室なるものがあるんだろう。

 さて、どちらに行くか?普通に考えれば、やはり人が少ない方がいいだろうな。

 右側通路を選択し、教室の物色を開始する。


 今現在ちょうど目の前にある教室は、小窓が黒い布に覆われていて中の様子が全く分からない。

 怪しい所を利用するのは止めておこう。

 

 奥へ移動し、引き続き隠れられそうな場所を探す。しかし、ドアに鍵がかかっていたり、大切な

資料が保管されている教室が多く、結局隠れるのに適した部屋は見つからなかった。


 やばい。次でいよいよ最後だ。

 どうか一つくらいはマシであってくれ。

 小窓から教室の中を覗いてみる。

 すると、綺麗なロッカーがいくつも並んでいる光景が目に入る。


 あれ?女子の着替えは五階で行われているんじゃなかったのか?

 なんでこんな場所に大量のロッカーがある?

 もしかしてここは旧女子更衣室だったのかな?あらゆる状況を踏まえると、そう考えるのが妥当だ。

 そして少し床がさびれた所を見ると、おそらくこの部屋はもう誰も使ってないんだろう。

 すなわち、隠れるのに絶好の場所であると言える。

 勢いよくドアを開け、一番奥のロッカーに身を潜める。

 と同時に五時限目終了のチャイムがタイミングよく鳴り響いた。

 


 ふー。これでひとまずは安心だ。

 あとは終礼後まで身を隠し、イザベルに見つからぬようカバンを手に帰ればいい。

 何だかだんだんいける気がしてきたぞ。


 ただただじっとしていると、突然ドアを開ける音が聞こえてくる。

 おい。なぜ使われなくなった部屋のドアが開く?

 まさか、誰かやってきたんじゃないだろうな。


「あー。疲れた。やっと着いたわ」

「そうね。やっぱり二階から四階まで来るのはキツいわ」

 戸惑っている間もなく、女子達の話声が聞こえてくる。


 


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