表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/195

第49話 おんぶして下さい

 えー!まさか、何もしないで退出していくとは。

 一体どうしてしまったんだ?

 

「ふぁー」

 こ、このやろー。堂々とあくびなんてかましやがって。

 どんだけのほほんとしてんだ、コイツは。

 そりゃ、花崎が何もアクションを起こさなかったのは幸運だ。

 だが、機嫌は悪いままなんだからな。

 こちとら気が気じゃないぞ。

  

「ふぁー」

 ……ほう。

 なかなかいい度胸じゃないか。

 さすがにそろそろ我慢の限界だ。



「おい! よくもとんでもない事を口走ってくれたな。言っとくが、さっきの金髪は我が家の住人なんだぞ。分かってるのか?」

「え? どこからかすざくさんの声が。部屋にいるんですか?」

 あ……

 そういえば、透明化してるのをすっかり忘れていた。

 

「よく俺だと認識出来たな。ビンゴだ」

「やっぱり。何だかホッとしました。でも、肝心の姿が見当たりませんが」

「実は、魔法をかけていてな。残念ながらしばらくは見えない状態なんだ。だが、ちゃんと正面あたりにいるから心配しないでくれ」

「はーい。了解でっす! なら、解けるまで待ってますね。おやすみなさーい」

「おーい。寝るな!」

「えー。いけないですか?」

「ダ・メ・だ」

「はーい」

 全く。冗談じゃない。

 また眠られでもしたら、こっちが大変だ。

   

「頼むから、まじめに話を聞いてくれ。お前はこの後どうするつもりなんだ? 花崎は怒ったままどっかへ行ってしまったぞ」

「ふむふむ。彼女は花崎さんというんですね。モノ凄く可愛かったですー」

 はー。なんてのんきな。

 これだから天然娘は。

 

「何を寝ぼけていやがる。もっと真剣に考えろ。何度も言うが、あいつは我が家の住人であると同時に学校に通う同級生でもある。なのに、カンカンに怒らせやがって。どうやって仲直りするつもりだ」

「えっと、その件についてはすざくさんに謝罪を頼もうと思います。どうか、よろしくお願いします」

「バカヤロー! なんで俺が? 責任は他ならぬお前にあるだろうが」

「フフ。冗談ですよーだ。また騙されましたね」

 何だよ。

 びっくりさせやがって。


「たちの悪いジョークはいい。何か具体的な案はあるのか」

「ええ。シンプルに頭を下げようと思います。やっぱり男女の関係はまずかったですよね」

 ほー。コイツも心の奥底では反省していたんだな。

 感心。感心。きっとしっかり謝れば、奴も許してくれるに違いない。

 とりあえずは、問題が解決する見込みが立ったと捉えていいだろう。

 ホント、よかった。

 

「あー!」

「な、なんだよ、いきなり。もしかしてこの世ならざる者でも見えたのか?」

「いいえ。体が透けてきました」

「マジか!」

 ホ、ホントだ。という事は、二十分弱経ったのか。

 案外早かったな。


「くー。もうダメです。お腹が減りすぎて気力が」

 可哀想に。

 きっと昨晩は何も食べなかったんだろう。

  

「なら、話は早い。朝食を取るぞ」

「やった……ようやく食事に」

「ああ。だから、元気を出せ」

「はい。では」

 は?いきなり手を広げて何やってんだ、コイツは。

 はっはーん。さてはまたからかおうとしてるな。

 


「ホラ。ふざけてないでさっさと行くぞ」

「ですから、私をおんぶして連れてってください」

 なにー!俺がどうしてそこまで。

 と言いたい所だが、天然娘がまたごね始めたら面倒だ。

 やるしかないだろう。

 

「しょうがない。のれ」

「ありがとうございまっす!」

 枕元付近でしゃがみ、赤月を背中におぶる。


「どうだ? おんぶの心地は?」

「フフ。最高です。ヤッホー。高い高ーい」

 

 あれ?あんだけ具合悪そうだったのにやたら元気過ぎやしないか?

 よく分からんが、まあいい。とにかく腹ごしらえだ。

 細かい事は気にせず、ひとまず外へと向かう。

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ