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第46話 鬼が2人になるかもしれんぞ。

 し、しまった。いろいろと考えていたせいで注意力が散漫に。

 正にマヌケとしか言いようがないが、まだ話せば何とか。


「おい。やめてくれ。お前のせいで自由に動けないじゃないか」

「…………」

 ダ、ダメか。

 ならば、力ずくで。

 自由に動く右手で手首をがっしり掴み、およそ半分程の力で引き離しにかかる。

 が、試みは見事失敗に終わる。

 

 なにー!ちっともビクともしやがらない。

 何だか男として全否定されたようでめちゃくちゃ悲しい……


 ちっくしょう。ここまで来たら、絶対に負けてたまるか!

 再度チャレンジするが、結局上手くいかず、途方に暮れる。

 

 うー。もう生きていけない……

 ひょっとして俺は人類最弱なんじゃ。

 膝を付いてうつむいていると、首に何かが触れてくる。

 と同時にとてつもない息苦しさが体を襲う。


 な、なんだ。

 まるで誰かに絞められている感じだ。

 まさか、天然娘が?恐る恐る顔を上げてみると、両手で力いっぱい首を掴む赤月が目に入る。 

 

 やっぱりかー。

 どうしてこうなった?

 すぐさま腕を振り払おうとするもどうにも出来ず、ただ苦しさだけが増していく。


 やばい……

 だんだん視界まで。これは本格的にまずいぞ。

 心なしか体も。

 

「ちょっと石野君! いつまで夢の中にいるの! 早く起きなさい」

 突如聞こえてきた女子の声に驚き、反射的に目が開く。

 


 なんだ、今のは?

 なんとなく隣からの気が。

 ひょっとして空耳か?まあいい。今はとにかく。

 

「ねえ聞いてる? もしかして言葉が分からないの?」

 お、おい。嘘だろ。俺の部屋の場所は赤月しか知らないハズだ。

 だからこそ、勘違いだと思ったのに。

 なんてこった。あの調子じゃかなり荒ぶってるに違いない。

 にしても、どうしてあそこまで機嫌が?

 もしや、下から順に部屋を回ってきたんじゃ。

 だとしたら、ハチャメチャにキレてたとしても不思議じゃない。

 そして仮に説が当てはまってるのだとすれば、次に奴が来るのは四〇四号室。

 

 参った。

 また新たなトラブルの予感がプンプンする。

 というか自室にいるのは誰なんだ?

 そういえば荒くれものは、石野君と言ってたな。

 おそらく先輩なら、君とは付けない。

 とすると、候補は二人。


 だが、校長曰くシャイな麻宮がわざわざやってくるとは考えにくい。

 という事は、花崎で間違いないだろう。

 うわー。どうしよう?


 もし機嫌の悪いコイツ等が対面したら、殴り合いに発展するかもしれないぞ。

 ましてや昨日は何かと忙しく、花崎はもとより他の連中にも赤月を紹介していない。

 はー。もう何から何まで……




  

 

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