第13話 死を回避するにはキス?
なんだ。あったのかよ。
なら、さっさと喋れよな。
そっと胸元から手を放す。
「全く。暴力的な男だな。君は」
ぬかせ。どっかの誰かさんが空気を読めないから悪いんだろうが。
と口にしたいのは山々だが、下手に怒らせたら面倒だ。
「すいません。少々手荒が過ぎました」
「まあ、今回は特別だ。許す」
良かったー。ごくごく単純な人で。
「では、さっそく。その方法とはズバリ……魔力を持った女子とキスをする事だ」
な、なにー!
さてはへっぽこ狸め。
首を絞めた腹いせにからかってるんだな。
「ふざけるのは止めてください!」
「何がだ。ワシはただ真実を述べただけだに過ぎん」
おいおい。めちゃくちゃ真顔じゃないか……
残念ながら、ジョークをかましてるとは思えん。
はー。なんてこった。俺は未だ女子と手をつないだ事すらないのに。
これからどうすればいいんだ?既に発狂寸前だが、校長の話が真実であるかは分からないハズだ。
とりあえずいろいろと探ってみよう。
「ならばお尋ねしますが、なぜ淫らな行いをする必要があるのですか?」
「理由は簡単だ。君達魔法師の体には魔女が持たぬナノオーラが流れている。あまり耳にしない名前かもしれないが、実はこれはあらゆるダメージを回復させる事で知られている。そしてもう一つ重要な情報を付け加えると、少年よりも少女の方が発生量が数倍多いのだ。従ってお互いに交われば、体内が癒しの力で満たされ、生命の危機から守ってくれるという訳だ」
まじか。
いかにも信ぴょう性が高そうじゃないか。
「お言葉ですが、一連の情報をどのように入手したのですか?」
「昔読んだ古文書でな」
「だったら、見せてください」
「無理だ。その本はトップシークレット扱いが故に学生には拝読出来ない」
トホホ……
それじゃ、俺に出来る事は何もないじゃないか。
さすがにここまで来ると、もはやお手上げだ。
「もう気になる事はないか?」
「……一応」
「とすると、信じてくれたのだな?」
「いや」
「何? 君は校長が信用出来ないというのか?」
「はい」
「な……」
直後ふて腐れたような顔を浮かべ、校長が隅の方へ移動を始める。
やべ。どうやら、ショックを受けてしまったみたいだな。
「フン。どうせ、ワシなんてただのエロじじいだ。悪かったな。あと一つ重要な情報があったが、もう教えてやらん」
しまった。余計な事を口走らなきゃよかった。
もしかして面倒な事をしなくても生き永らえる方法があるんじゃないだろうな。
くっそ。腹黒オヤジめ。こうなったら、何としてでも聞き出してやる。
確か、制服のどっかに。あ、あった、あった。
「先程は失礼な発言をしてすいません。よかったらどうぞ」
機嫌を直して貰う為、ある最終兵器を手渡す。
「ど、どうしてパンティーなんかを?」
「えっと、実はですね。いつぞやの授業の時に隙を見計らって女子更衣室から盗んだんです」
くっくっくっ。まんまと騙されたまえ。
こりゃ、女装家のおっさんがくれた悪しき品だ。
「素晴らしい。正に感激だ」
うわ。変態ゾウリムシが下着に顔をすり寄せてやがる。
気持ちわりぃ。にしても捨てるのさえ忘れていた汚物が、まさかここで役に立つとはな。
人生不思議なもんだ。
「ムフフフフフ。是非とも我が家の家宝に」
いやいや。いくら何でも大げさ過ぎるだろ。
まあ、本人が喜んでるならいいか。
「よーし、気分がいいウチにさっさと本題に入るとしよう。準備はいいか?」
「はい」
「では、ただちに上着を脱いでくれ」
はー?




