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現代の魔物 お菓子

「僕に君の願いなんて叶えることはできないから廃棄してよ…」

エーリがそう呟いた。その一言で場の空気は一瞬にして暗くなった。

[いいえ、貴方達にしか出来なくてあなたたちだからこそ私は頼むのです。]

レイゾウは諭すようにそう言った。

俺は何も言わずに考えていた。すると、トマコがやってきて俺に話しかけた。

「ねぇ、ビフ。あのレイゾウってやつの話聞くの?」

俺は少し考えてからこう言った。

「捨てられそうになった俺たちに頼むほどだ。何かあったんだろう!おい、レイゾウ!君の願いはなんだ!」

俺はレイゾウにそう言った。レイゾウはお礼を言いながら願いを言った。






[皆さんには子どもや大人の好き嫌いを無くして欲しいのです。]

レイゾウさんは僕等にそう言った。

ビフは驚いていた。僕も驚いた。すると奥からカブがやってきてレイゾウさんを馬鹿にした。

「おいおい、ふざけんじゃねえよ!!第一、嫌いな物があってもいいじゃねえか!なぁ!豆粒ピース!」

そう言って僕の肩を叩いたカブは何故か自慢気だった。確かに彼の言うことは正しいかもしれない。どうして、そんな矯正させるんだ?僕が悩んでいるとどこからともなく万願寺とうがらしがやってきてぽつりぽつりと呟き始めた。

「お菓子の逆襲かの…」

「ゆとり世代の力は偉大じゃからな…」

僕は思わずお爺さんを引き止め

「お爺さん!あなた何を知っているのですか?!」

と言ってしまった。我を忘れてしまっていた。僕の乱暴な止め方にも関わらずお爺さんは何事もなかったかのように話し始めた。

「ワシは万願寺とうがらしのマンガン爺じゃ。よろしくの。さっきの話の続きじゃがワシが話して良いのかレイゾウよ?」

マンガン爺さんがそう言うとレイゾウさんは笑って

「ええ、お構いなく。」

と言った。その声を聞いてマンガン爺さんは続ける。

「すごく昔にの、お菓子というものが生まれたんじゃ。お菓子は子ども、大人どの世代にも流通し低価格で手に入るため絶大な人気を誇ったのじゃ。その時、ワシら食べ物達は危機に瀕したのじゃ。お菓子の力は強くワシらが嫌われるようになったのは「お菓子のように甘くない。」や「お菓子の方が美味しい」等様々じゃ。そして、ワシらはお菓子を倒すためこのレイゾウと共に何度も復活して好き嫌いを無くそうとしたんじゃ。あれは大変じゃった…そして、ワシらは何とかお菓子の猛攻を抑え好き嫌いを減らすことができたんじゃ。しかし、この現代では"ゆとり世代"と呼ばれる者たちが増えてのぉ。ゆとり世代は文句は止まらず嫌いな物はすぐに嫌う。ワシらはそんなゆとり世代を助けるために復活させられたのじゃ。」

マンガン爺さんがそう言うと野次馬達が

「そんな馬鹿なことありえるかよ!」

と罵声を浴びせた。するとレイゾウさんがこう言った。

「本日の夜0時私に協力してくださる方はもう一度この場所に来てください。初日ですが早速任務です。出来ればみなさん来て欲しいですが…」

それを聞いて何人もの人が

「やってられっかよ」

と言って帰っていった。

「ビフ、どうするの?」

トマコがビフにそう言うとビフは無言で走り去っていった。

僕も帰ろう。







(もうすぐ0時か…どうしようかな…レイゾウさんとマンガン爺さんは嘘をついているように見えないし…行ってみようか…)

僕は野菜室からでて昼に集まった場所へ向かった。

僕が着くと、周りにはビフとトマコと自己紹介の時に絡んできたジャガイモがいた。

「あのーあなたは…」

僕が話しかけるとジャガイモは少し怒った顔でこう言った。

「豆粒もきたのかよ…俺はジャガーだ。別に願いを聞くわけじゃねえ。ただここにいてもつまらねえから来ただけだ!!」

「そ、そうですか…ジャガーさんよろしくです…」

僕等がなんとなく話して待っているとエーリがサクとチエに引っ張られやってきた。

「「エーリ!行くぞ!」」

「僕はいいよ…いても邪魔だし…」

エーリがそう言うと、ビフが呟いた。

「邪魔なんて思うな。俺はお前がいるとでかい奴がいるってビビるからお前は敵を撹乱するのに最高だ。」

敵…?僕は不思議に思った。敵って誰?僕はビフに聞いた。

「敵って誰のことですか?」

「敵はお菓子だ…」

お菓子と戦う!?無理だ無理無理!!

僕がそうやって頭を抱えているとレイゾウさんが話しかけてきた。

[みなさん、作戦を話してもよろしいですか?]

するとビフが

「頼む」

と言って、レイゾウさんが話し始めた。

[今回、やるべきことはお菓子の軍の偵察です。結構な時が流れお菓子の勢力が全くと言っていいほど分かりません。しかも、私達はこの人数です。]

そう言われて見渡すと周りにはビフ、トマコ、サク、チエ、エーリ、ジャガーさん、マンガン爺さんのみだった。

レイゾウさんは話を続ける。

[まずは冷蔵庫から出ても私の声が聞こえるように携帯式溶けない氷をもっててください。これを持っておけば無線のように使えます。]

僕は氷を渡された。お菓子と戦うって一体…?

[続いて…これは使わないで欲しいですが…爪楊枝です。もし、戦闘になってしまったら使ってください。]

爪楊枝を渡された。鋭く尖った木製の爪楊枝。これで刺されたら…考えないほうがいいよね。

準備を終え、マンガン爺さんは僕等にこう言った

「さて…ワシはここにおるからみんな頑張ってくれの…」

するとビフは無言で冷蔵庫を開けた。

「みんな、行くぞ。」

そして僕等は初めて外に出た。







「豆粒…こっちだ…」

ジャガーさんは僕に指示をした。外に出てから僕等は分かれて行動することにした。

一つ目は僕とジャガーさんの二人。僕等は大きな棚を調べる。

二つ目はビフとトマコの二人。

基本冷蔵庫の近くだけど、冷蔵庫の横には謎な箱があってそれを調べてる。

三つ目はエーリとサクとチエの三人。三人は台所を大まかに回る。

「この棚は何もなさそうだな。ん?待てよあの引き出しの中騒がしいな…」

ジャガーさんはずこずこ進んでいく。

「待ってくださいジャガーさん危険ですよ!」

「静かにしろ!」

ジャガーさんに言われて静かにすると何やら話し声がする。僕は耳を澄ました。

「へへっ今日もガキが平らげてたぜ…」

「見たみた!このまま行きゃ俺たちにお菓子の勝ちだよな…」

僕は恐ろしくなった。お菓子が…お菓子がいる…

「豆粒…!連絡しろ!逃げるぞ!」

僕はジャガーさんに言われた通り氷を取り出した。そしてレイゾウさんに繋げた

<ピース君どうしました?>

「じ、実は、お菓子がいました…数は2体です!」

<分かりました。すぐにそこから退却してください>

「どこに退却するって?」

僕の後ろに何かがいた。僕は振り返る。僕の前に現れたのは"ガム"と"グミ"だった…

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