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「ゆとりなんて大っ嫌いだ!」

「タカシ〜ご飯よぉー。」

(やったぞ、みんな…ご飯の時間だ…準備はいいか!!)

(ビフ!うるさいよ!!!)

(そうやって注意するトマコの方がうるさいよ…)

(またエーリがネガティブだ!)

(ネガティブだ!)

(ところで…あいつはまだきてないのか?)

(あいつって?)

(あれだよ…あのーグリンピースのあいつ…)

(多分、野菜室で寝てるよ…)




「やっばいやっばい!!また残される!!!!」

一粒のグリンピースは縦横無尽に野菜室を駆け抜けた。


これは、消費期限の迫る食べ物たちの生死を賭けた戦い…!!!!




都内のある一軒家に引っ越してきた藤村一家の皆さん。荷物を置いて、新しい冷蔵庫などの家電を揃えご機嫌な様子。今日のご飯はなんでしょう…

「タカシ〜今日はカレーライスよ!」

タカシのお母さんはそう言った。すると、タカシは一瞬顔をしかめこう言った。

「…人参とかいれる?」

タカシのお母さんは笑顔で

「ええ!彩り大事だもの!!」

タカシのお母さんは淡々と作業を続ける。


「よし、まずは会議を始める前に新しい冷蔵庫だ。自己紹介をしよう!」

肉がそう言うとトマトが反論する

「もういいわよ…ねぇみんな」

トマトがそう言うと、みんな黙ったままだった。

「誰もしなくていいとは思ってないみたいだな!!じゃあまず俺からだ!」

肉は高らかにそう叫ぶと冷蔵庫の棚の一番上に行って自己紹介をした

「俺は牛肉のビフだ!!この食べ物連合の中でリーダーを務めさせてもらっている!よろしく頼む!」

周囲がまばらに拍手をする。

「次、トマコ!」

ビフはトマトに向かって指をさし、トマトを棚の上まで連れて行った。

「トマコよ…この馬鹿みたいに気張らなくてもいいから。みんな楽にしましょ?」

トマコがそう言うと、周囲は騒いだ。「トマコ姐さん!!!」と叫ぶ物も居た。

「トマコ、次誰か指名しろ。」

ビフがそう言うと、ほとんどのやつが「俺だ!おれがなまえをよんでもらうんだ!!」と手を挙げていた。

「えー…んじゃエーリ。」

すごく細いエリンギはそう言われると申し訳なさそうに歩き始めた。

「どうも…エリンギのエーリです…みんなが食べてもらえるかわからないけど、頑張ってください…」

エーリがそう呟くとエーリの後ろからさくらんぼが出てきた

「エーリ暗い!!」

「そーだそーだ!!」

そのさくらんぼに向かってビフは「自己紹介しておけよサク!チエ!」と言った。

「「んじゃ自己紹介ねー!さくらんぼ!又はチェリーの!」」

「サクと!」

「チエだよ!」

「「よっろしくぅ!!!」」

各々が自己紹介をする中突如遠くから叫び声がした。

「うわぁぁぁぁぁ遅刻だぁぁぁあ!!」

遠くから叫んでやってきたのは小さなグリンピースの一粒だった。

「うわっ、グリンピースだ!不幸がうつるぞ逃げろ!!」

野次馬達はそう叫んで走り回る。グリンピースはそれに気づかず群衆の中に突撃する。

「ってて…あっ!ごめんみんな怪我してない!?」

「おいおい豆粒テメェ!!!」

1人のジャガイモがグリンピースを怒鳴りつける。グリンピースは泣きそうな顔で

「うわぁあごめんなさいごめんなさい!!!殺さないで!!」

と叫んだ。

見かねたビフはグリンピースに

「遅刻か…?さっさと自己紹介をするんだ!君が最後だ!」

と言った。

グリンピースはそれをきいて早々と上まで行った。

「えっと…僕はグリンピースのピースです!げ、元気に頑張りますです!!」

ピースは緊張で倒れてしまった。すると冷蔵庫の近くで声がする。

<さーて…もう少しでできるわよタカシ〜>

それを聞いたビフは慌ててこう言う。

「まずいタカシママだ!!全員キメろ!!」

「あのー…ビフさん、キメるって何をですか?」

ピースがそう聞くとビフは忙しそうにこう言う

「最高の状態に見立てるんだ!食べ頃に見せることでタカシママに選んでもらえる!」

ビフは続けて言う。

「人間に食べられること。それが食物にとって最大の栄光なんだ!それが分かったらピース!お前もさっさと体を磨いて光らせるなりするんだ!!」

するとピースは慌てて

「はっ、はい!!」

と言って野菜室へ向かった。






冷蔵庫が開き、冷蔵庫の中の冷気が部屋に漏れる。

タカシママは独り言を言いながら食材を取る。

「お肉と…人参と…ジャガイモと…グリンピースと…それとそれと」

(やった!!ビフさん!選ばれました!)

(良かったな!!さあ食卓に行くぞ!!)

(あたいもやってやるで!!)

一つの人参は高らかにそういう。

(すいません、人参さん。貴女は?)

(あぁ、あんたおらんかったんかいな?あたいは人参のロットや!よろしゅう頼む!)

(ふふっお願いします!)





15分後

「タカシ〜ご飯よ!」

タカシ君は階段を降りて

「カレーライス大好き!」

と言って自分の席に行った

タカシ君とタカシ君のお母さんは

「「いただきまーす」」

と元気に言った。

そして、タカシ君はスプーンでカレーライスをすくった。

が、その時!!!

タカシ君の眼前にある物がうつる。

「ママッ!僕これいらない!!」

「えっどうして?」

「だってこれ入ってるんだもん!」

「あぁーグリンピースね…捨てなさい捨てなさい。ごめんねぇタカシ。」

「ううん大丈夫!!」


僕はゴミ箱に捨てられた。これで僕の人生は終わった。

「せめて…人間に食べられたかったな…」

僕が泣いていると、遠くから声がする。

僕は声の方へ走った。

走って走って…走り続けて。







「うっ…」

気がつくと冷蔵庫の中にいた。

「あれ…僕は?」

僕がぼうっとしているとビフがやってきて僕にこう言った。

「ピースも帰ってきたか…何が起こっているんだ…」

僕達が悩んでいると冷蔵庫に声が響き渡った。

[良かった!]

ビフは思わず

「誰だ!」

と叫んだ。すると声はこう言った。

[私は冷蔵庫のレイゾウです。私が皆さんを復活させました。]

トマコさんが声に向かってこう叫んだ。

「どうして、復活させたのよ!!そもそもどうやって復活させるのよ!!」

[それは、私の願いを叶えていただきたいと思い捨てられそうな皆さんをお救い致しました…]


冷蔵庫のレイゾウ。彼の願いとは一体なんなのか…


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