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Ep9 2度目の救世主

勇太の剣がものすごい勢いで亮介めがけて振り下ろされる。

風の唸りと心臓の鼓動が、耳に聞こえるほど大きな音になった。

「う…わぁぁっ!!」

亮介が目をつむった。


――やべェオレ また死にそうだ

  前の玲衣の時みたいに、救世主が来たりしないかな。


ピキ―ン……

世の中は少し甘かった。

亮介はまた救われたのだ。

剣は凍り、折れた。玲衣がこちらに手を伸ばして息を切らしている。


勇太は表情を笑った状態のまま固まらせた。

無惨に折れた剣を見つめたあと、そのまま首だけ回転させた。

「闇風ェ… あんたさぁ」

勇太は恐ろしく笑っている。

玲衣の表情に焦りが見られた。

「ほんっと ウザイ」

ビュン!と言う音がしたかと思ったら、一瞬で玲衣は刺し貫かれていた。


「オレの事好きなくせに邪魔するんだね?本当オレにとって都合悪いことしかない、あんた。」

玲衣を貫いたのは、さっきのような細い針ではなく、大きなブレードだ。

「……」

玲衣はやはり言葉を出さない。いや、出せない。

肺より少し上の鎖骨らへんの所を刺され、無惨にぐったりしている。

「きっと闇風の事だからまだ死なないんだよね。しつこいねあんた。」

勇太は満足そうに玲衣を眺めてから亮介の方に行った。


「お前許せない。ちょっと許せない。ちょっとどころじゃないくらい許せないよ!」

亮介が少し意味の分からないことを言いながら立ち上がった。

「ファイター、揃ってないんだよね?」

唐突に勇太がそう聞いた。 亮介は答える。

「そうだけど、そんなの関係ねぇじゃん。」

勇太は笑った。

「いい事教えてやるよ。あんたの知らないファイターの事。」



「知らないファイター?誰だよそれ!!」

亮介は思いっきり興味深々だ。 さっきは関係ねぇって言ったくせに…

しかし勇太は答えず、妙な金具を持って飛びかかってきた。

「え!?そんなのアリ!?」

亮介は地面に拘束された。完全にスキを突かれたのだ。

「ずるいぞ〜。ずるい〜〜」

子供のように叫ぶ亮介を見て、勇太は少々呆れた。

「勘違いすんな。スキを突かれないように拘束しただけだ。話はする。」

勇太は剣を地面に置いて話をはじめた。


「かなり強い風のファイターが現れたようだ…。」

「…風の…ファイター」

亮介が目を見開いた。

           

                つづくよ

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