Ep6 リストバンド
キーンコーンカーンコーン♪
聞きなれた学校のチャイムがなった。
――今日は部活もないし!!
早速駅に行ってやる。
亮介は走って玲衣いわくファイターの集合所、大伴駅に行った。
しかし。大事なことを忘れていたようだ。
「しまったーー!!玲衣の学校は部活じゃん!!」
そう、玲衣の学校は部活動の真っ最中。
玲衣はあと何時間かしないとこの駅に来れない。
「あ〜… まぁ、他のファイターが来るかもしれないし。」
プラス思考に考えて見たが、他のファイターはこの集合場所を知らないかもしれない。
玲衣が言っていた“奴”と言うのが誰かもわからない。
奴=ファイターとは限らないのだった。
亮介は駅のホームの椅子に座って寝ていた。
zzz…
「ひゃっ」
亮介は顔に冷たいものを感じて飛び起きた。
玲衣の氷だった。
「脅かすなよ〜」
玲衣は笑いもせずに黙って立っている。
「部活だったの?何部?」
亮介は明るいが、玲衣はと・に・か・く・暗い。
この問いにも、背中に背負った大きいものを指さすだけの答えだった。
「ギター??軽音楽やってる?もしかして…」
玲衣はコクリとうなずいた。
何分か二人並んで椅子に座っていた。
もちろん静かで少々怪しくも見える。
「?」
玲衣が亮介の肩をたたいた。
無言で何かを差し出した。
リストバンドだ。炎の柄が入っている。
「すっげー!!どーもサンキュ◇」
玲衣はやっぱり笑いもせず、自分の手首を見せた。
氷柄入りのリストバンドがついてあった。
玲衣のお手製に見えた。
結局、今日の二人はリストバンドをプレゼントするだけで別れることにした。
2人とも行く方向は同じだ。 途中まではいっしょに帰る事にした。
平和な一日が終わろうとしていた…が……
*
前に現れたのは多くの武器を持った男だった。
「ファイター??」
亮介ははしゃいでいた。
「違う、あれは敵…」
本日初めての玲衣の発言であった。 そんなことより。敵だって??
「闇風…?マヂかよー、ウゼェ」
男が呟いた。
玲衣はそいつを睨み、氷の剣をかまえた。
つづく




