Ep5 氷の戦士
「やべー!!ちょっとオレヤバイ!!」
亮介は流れ来る水に呑みこまれた。
泳ぎは得意ではない。 瞬く間に深くに沈んでいく。
うっすらと見える街の風景がいとおしかった。
…
…
――死んじゃったかな??
早かったなぁ16年間。
高校生活で後輩欲しかったぜ。
亮介は悲しいムードに突入していた。
お葬式の風景などを思い浮かべていた。
――死んだら体、冷たくなるんだよな。
今、本当に冷たい気がする。
え!? てかマジ冷てぇ!!
さぶい!!死にそう。ってか体氷だし!!
亮介はこの世で目覚めた。
体が半分ぐらい氷になっている。
目の前では宇留野助が焦りの表情を見せていた。
「どうしたんだよ涙やろ…」
亮介が絶句した。
パープルの長い髪がなびいている。
やせ型の女が氷で出来た剣を持って立っていた。
「お前何者だ!?」
亮介が希望に満ち溢れて立ち上がった。…ハズだが、氷づけなので立てなかった。
女は無言で亮介を見ると、宇留野助の方に向き直った。
そして剣で一突き!!
「うわぁん><」
宇留野助は号泣しながら氷の塊と化した。 絶命した。
女は剣を片付け、亮介の方に向き直った。
「君は誰? まさかファイター?」
亮介が訪ねた。
しかし、女は無言でただただ亮介の氷を溶かしている。
「聞いてるの!?答えてよ〜。」
亮介が手をブンブン振り回す。 それでも女は口をひらかない。
「しゃべれないの?口あるの?」
亮介が女の肩をつかんだ。 女はその手をサッと振り払うと
「…闇風玲衣、立花高校出身。氷の戦士」
とだけ言った。
玲衣は驚くほど冷たい声だ。しかも無口。 これを根暗キャラって言うんだっけ。
亮介はちょっとふてくされた。
「じゃあ玲衣って呼ぶよ。 同じファイターなんだし、仲良くしないとね。」
亮介が差し出した手を、玲衣は軽く握った。
「大伴駅はファイターの集合所。そう奴が決めた。」
玲衣はそう言った。
「奴って?」
亮介はファイターの情報と思って興味深げに聞いたが、玲衣はそれ以上何も話さなかった。
本当に必要最低限のことしかしゃべらない。
変わった子だ…としみじみ感じる亮介であった。
あんだこんだでその日は玲衣と別れた亮介。
――学校が終われば毎日駅に通ってやる!!早く5人揃って仲良くなるんだ!!
これが今の目標。
亮介は精一杯目標に向かう!!
早く五人が揃う為に、高校ファイター5になる為に!!
つづく




