Ep4 泣けちゃうよっ
今日は日曜日。 しかし、部活はある。
亮介はテニス部だ。 ラケット片手にさ〜特訓!!!
「お〜い。亮介ェ… ちゃんとサーブしろよなぁ」
「アイムソーリー、ひげそーりー、小泉(!?)そーりー」
亮介は下手くそだ。 でも、ムードメーカー的存在なので好かれている。
練習の合間にも、指先から炎を出して見る。
――やっぱあれは夢じゃないんだ。オレは…ファイター!!
うかれすぎだから、テニスボールが頭に何度も当たった。
そのたびに笑ってごまかした。 アハハ
「練習終わりー!!」
「ありあとやしたーーっ!」
終了のあいさつを言うと、みんなは一気に片付けて家に帰る。
――マクドでも食うかな。
亮介はマクドに直行した!!
*
途中で、よそ見をしていた亮介はもろに誰かにぶつかった。
「すみませ…ぇっ??」
ぶつかった人は亮介と同い年ぐらいの少年だ。 座りこんで背中の土をはらっていた。
何よりも、目がウルウルで今にも泣き出しそうだった。
「ゴメンよー。だから泣かないで。」
亮介は必死だ。
少年は涙目のまま立ち上がった。
「いい所にいたね、亮介君」
――はぁ!?こいつも俺の名前知ってるし…
会社員の仲間か!?
「君は誰ですかい?」
亮介が尋ねた。少年はウルウルの目を開いて答えた。
「僕は涙目宇留野助。デール様の使いです。」
目から涙がこぼれそうだった。
――だっせー名前…。見た目どおりだし。
亮介は色々な思いを隠しながら戦闘態勢に入った。
「オレって有名人!!街歩くだけで狙われる!!」
亮介は調子に乗ってファイアーボールを放った。
しかし!宇留野助の涙によってそれは一瞬で消されてしまった。
そして宇留野助の反撃…
「うわぁぁっ」
洪水のような涙に亮介は流され、石垣にまともにぶつかった。
宇留野助は涙を拭きながら笑った。 うれし泣きのように見える。
「なぜ!?What!?会社員野郎は倒せたのに!!」
「世の中全ての人が同じというわけではないのだ!!」
宇留野助がまた涙を流し出した。
――ちょっとやべーんじゃないオレ?
涙野郎に負けちゃうヨッ。 ってか水と火は相性悪いね…
何度も流されては立ち上がり、流されては立ち上がりをくり返し、亮介は精神的にまいってきた。
「もういやぁ」
そんな弱音を吐いてしまった。
「ファイターになったなどと、浮かれているからだ!!」
涙野郎が渾身の涙をためはじめた。
あれを喰らえばマジでヤバイ。
――ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。
「松浦亮介人生終止符。連載4回にて終了か!?」
涙野郎が掛け声と共に大量の涙を放出した。
水、水、水が亮介に迫るッッ!!




