Ep2 ファイター
放課後のことだった。
亮介は石蹴りをしながら校門を出た。
石蹴り…子供のやることだよな。
バッカみたい、オレ・・・
亮介は頭を抱えて一人
「あ〜〜〜」
と叫んでいた。
その声に反応するかのように空が曇った。
真っ黒の雲だ。 本当に本当に漆黒だ。
「おぉ!!BLACK!!」
ノー天気にはしゃいでいる間にも、辺りは真夜中のように暗くなった。
「亮介!!バカ!!雨降んぞ!!」
友人たちは走って家に帰っている。
ー――バカはそっちだよ、オレは濡れたいんだ。
亮介は空に手を上げた。
バリバリ!!
いきなり雷が落ちた。
2発、3発。
バリバリバリ!!
4発5発6発。
ただの雷ではない。石垣や建物がどんどん崩れていく。
「オーマイガーーーッ!!」
亮介は走って逃げた。
走って走って走ってなんぼ。
ドン。何かにぶつかった。
まっ白の服を来たまっ白の女だった。
「おばけーーっ!!」
亮介は座りこんでお漏らしした。
「お化けではありません」
白の女はにこっと微笑んだ。
「あなたは選ばれた男です」
女が手を差し伸べた。
選ばれた男――??
亮介は意味を理解できない。しかしとりあえず差し出された手にすがった。
「さぁ来て!!」
女に引っ張られ、亮介は猛スピードで走っていく。
「ちょ、ちょっと。選ばれた男って何!?」
「ファイターです・・・」
「ふぁいたー!?」
女はこちらを向いて説明を始めた。
「この雷は東京に襲来した魔女によるものです。魔女の名前はデール。
この上ない魔力を持っており、虐殺を何より好みます。
400年前にイタリアで560人が一日で死んだのもデールのしわざです。
私は聖の女神。
デールを退ける為に、強力なファイターをこの地に作り出そうと思っているのです。
あなたは、その中の一人です。 」
・・・
魔女を退ける為のファイター!?
それがオレ!?
「何だかわかんねーけど、いいなそれ!!」
「条件を呑んだようですね」
女神は亮介の頭をつかんだ。




