Ep14 地割れ
いきなり大量の水に襲われた3人は逃げるまもなく流された。
亮介の炎は通じない、玲衣の氷も水にとかされる。
隆の技は未だ良くわからない。
どうしたらいいんだ…。
「意外とあっさり行けそうだ、兄さんの仇が取れる」
男は飛び上がって喜んでいた。
「くやしぃ〜〜」
亮介は叫んで炎を放ったが、水の前にそれは及ばなかった。
「…」
玲衣は氷の盾を作って応戦するが、すさまじい水に氷さえもとかされてしまう。
男は意外にも強かった。
隆は黙って見ていた。
助けようともせず、安全な場所でずっと戦いを観戦していた。
「隆!ふざけんな。お前だけ逃げてんじゃねぇ!!」
亮介はキレ気味だが、隆はやはり静かに戦いを見ている。
「お前、聞こえねーのか!!」
亮介が隆の所に走っていった。 しかし途中で何かに足をとられてこけた。
玲衣が亮介の足をつかんでいた。
「なにすんだよ玲衣!!あんたはあいつ見てて何も思わないのか?」
玲衣はただ静かに首を振った。
亮介は気に入らないようだが、とにかく戦いに向き直った。
「うぉぉりゃああーー!」
男がまた水を噴き出した。
玲衣が氷の盾を作った。 なんとかそこにもぐり込んで水に耐える。
「あ〜もう、水ってムカツク!!」
亮介が赤ちゃんのように叫んでいた。
「そろそろ…」
玲衣がしゃべった(!?)。
後ろから足跡が聞こえたような気がして、亮介は振り返る‥。
隆が立っていた。 済ました顔で男を見ている。
「残念ですが、あなたの攻略方を見つけましたよ」
静かに言い放った。
亮介が驚いたような目をして「あ〜!!」と叫んだ。
「お前隠れてたのは作戦を練るためか!!」
「当たり前じゃないですか!逃げるなんて往生際が悪すぎます」
隆はしゃべりながら、ジェスチャーで玲衣と亮介を遠ざけた。
「攻略方とは、生意気な」
男が腕組みをした。
「腕組みをするなんて、生意気なのはそちらです」
隆は言い返しながら、地面に指で絵を書いている。
「遊んでないで、さっさと私を攻略しろ」
男が腕組みを解除し、腕をぶらぶらさせた。
バキッ――
!!
地面に大きなヒビ割れが出来た。
男は瞬く間にそこへ落ちていく。
「そんな!?一瞬で負けるなんて!!」
「土のファイター特有の地割れ起こしです!!」
隆は拳を突き上げた。
朝日に輝いているように見えた。
*
「それにしても。凄かったな〜」
亮介が隆の肩をポンポンと叩いた。
今3人は駅を出てそれぞれの家に帰ろうとしている。
隆は強い。
それは玲衣も亮介も認めた。
それと同時に嫉妬もしたかもしれない。
しかし、同じファイター、高めあうべき。
少しは強いライバルがいても良いかもしれない、と2人は思ったのだった。
つづく




