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Ep11 敗北…

――もう立ち上がる気力さえない…

  まだ、決着はついてないのにぃ…

 

  それに引き変え、ウザウザ野郎はまだノーダメージ

  勝てるわけねぇ…


「やっと終わりィ?まあよくやったほうじゃない?あんたも」

勇太が生意気に笑った。

疲れと言うものを全く感じさせなかった。


――負けるの初めてだよ…

  ってか、3回しか戦ったことないんだから初めてでも普通だけど…

  やっぱり悲しい…


亮介は悔しがったが、体は言う事を聞かない。

何とか立ち上がったが、それでも炎を出す力が残っていなかった。


敗北がこんなに悲しいものだとは思わなかった。

勇太が憎かった。 自分にこんな屈辱を味わわせた勇太がたまらなく憎かった。

しかし、それよりももっと、勇太は自分より何倍も強いと言う事を理解してしまった自分が憎かった。


亮介は勇太を見つめた。

目があったのを確認すると、小さく首を振った。

(オレにとってお前はもっと後に挑戦すべき敵だった)

心の中でそう言った。


「アハハ。お前やっぱおもしれ〜。ちょっとウゼェけどおもしれ〜。」

勇太は大笑いして亮介の頭をパフパフ叩いた。

亮介はさすがにこの時は悔しかった。 流れる悔し涙を止めることが出来なかった。


「悔し涙…素直な奴だな〜お前。その心に免じてお前のウザイ友達解放してやるよ」

勇太は亮介を微妙な目で見つめながら、玲衣のブレードに手をかけた。

ズサッと音を立て、玲衣は地面に落ちた。

亮介は玲衣に駆け寄った。

意識がない玲衣を軽く撫でていた。


「なぁ、オレもう帰るからさ、最後にいいことひとつ教えてやるよ」

勇太が亮介に背を向けて話しかけた。

「…また騙すの?」

亮介がふくれた。

「心配すんなよ。次はマジだ。」

勇太は指で自分を指した。


「自慢じゃないけどオレ、デールの使いの3本指に入るほどの実力者なんだ」

勇太は一瞬亮介の方をふりむくと、ひそかに笑った。

「お前が負けるのは当然だったわけさ。アハハ、じゃあな」

静かに空へと消えていった。


「3本指…」

亮介は複雑な目で空を見上げた。

そして立ち上がった。 肩に玲衣を抱えて…。


「とりあえず、前向きがベスト!!帰るとするか!!」

わざと明るく振舞って、つらい気持ちを隠した亮介は、大伴駅へと歩いて行った…。


                        つづく

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