↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

なーろっぱ世界の短編 婚約破棄とか聖女とかドアマットとか転生とか

面倒な予感しかしない! ~門の前にドアマット令嬢が倒れていたら~

作者: マンムート
掲載日:2026/09/25

 


 夜会で久しぶりにあった友と談笑している内に、遅くなってしまって。


 早朝、屋敷へ帰って来たら。




 屋敷の前に女が倒れていた。




 明け方までの豪雨で、女はびしょぬれだ。


 服装はまずしい。


 だが、流行から10年以上遅れてはいるが、生地も仕立てもいい。


 貴族以外はもっていないドレスだ。


 わざとらしくまくれた袖口から覗く腕に、いくつものアザ。


『虐待されてました!』と判りやすく主張している。




 これはあれだ。


 いわゆるドアマットだ。


 我が凡庸な子爵家にとっては、関わると面倒な予感しかしない。



 倒れ方からすると、お向かいの侯爵家の前に倒れようとして力尽きたっぽい。



 誰も見ていない。



 オレは従僕に命じた。




「こいつをお向かいの……」



 いやいや。ここは考えどころだ。


 右隣は男爵家。左隣は伯爵家。正面は侯爵家だ。



 侯爵家の御当主とはチェス仲間だし、子供どうしも仲が良い。危険物をもちこむのは悪い気がする。


 それに、侯爵家の長男はかなり正義感が強い。ドアマットと出会ったら何かやらかす、かもしれない。


 伯爵家は人格者の夫婦で子供もまともだ。迷惑はかけたくない。


 男爵家は、先年、優柔不断で流されやすく善人ぶる当主が、愛人を後妻にひきこんでからいろいろあるようだ。


 それに、我が家とつきあいもない。



「男爵家の屋敷の前に捨てておけ」


「はっ!」



 従僕はすみやかにそうした。




 その日の昼。


 女は消えていた。


 男爵家に収容されたようだ。




 ※     ※    ※



 後日。



 男爵家はいろいろあって潰れた。


 今では、門に『売り物件』と書かれた看板がぶらさがっている。



 噂では、ドアマットとクレクレ義妹が家を喰い尽くしたとか。



 拾わなくて正解だった。



 侯爵家の御当主とは、今でも週一でチェスを指す仲だし、子供同士も相変わらず仲が良い。


 伯爵家の御当主とも、犬の散歩で縁が出来て、今では3家家族ぐるみの付き合いだ。


  

 だが、あの家の話が出ると、侯爵家当主も伯爵家当主も、少しホッとしたような顔をする。


 もしかしたらあそこに倒れていたのはお二人も……。


 いやいや。全員が判断を間違えなかったのだから、終わりよければすべてよしだ。






たくさんの作品の中から、本作をお読みいただきありがとうございました。


最後までお付き合いいただけたこと、とても嬉しく思います。


少しでも心に残るものがあったり、何かを感じていただけたなら、


評価や感想をいただけるととても励みになります。


別の物語も書いておりますので、もしよろしければ、そちらも覗いてみてください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ドアマット、まさか男爵家の前妻との娘じゃないですよね?(それただの返品) さすがに近隣の子女は見知ってると思うので。 義妹にクレクレされてる前妻との娘がすでにいるのに、他所んちのドアマット拾っちゃう…
奈良の鹿さん 早起きは三文の得
うわ、キングボンビーみたいなドアマット。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。