出会う女の子が全員ヤンデレで困ります。
俺の名前は一ノ瀬恋太
今、俺は猛烈に――いや、魂が燃え尽きるほどに彼女が欲しいッ!!!
……なんて、これはもう日常のように叫んでるんだが、実を言うと――俺、生まれてこのかた彼女ができたことがない。
誤解のないように言っておくが、モテないわけじゃないんだ。女子といい感じになったことも、そりゃ何度かはあった。
でも、付き合うまでに至らない。
理由はひとつ――俺は生まれついての“女難”体質なんだ。
*
初恋は中学一年の頃。
相手はクラスで一番可愛いと評判だった、三上 渚ちゃん。
一目惚れだった。
ドキドキしながら声をかけてみたら、なんと彼女も俺のことを気にしていたらしく、すぐに仲良くなれた。
メッセージのやり取りもして、手も繋いだ。そろそろ告白しよう――そう思っていた、あの日。
夕暮れの帰り道、渚ちゃんがふいに振り返って言った。
「恋太くん! 急に聞くけど、私のこと……好き?」
その“好き”という言葉が、あまりにも唐突すぎて、俺は反応できなかった。
一分。いや、体感ではもっと長い沈黙のあと――
「えっ? なんで、すぐ答えないの? ねぇ、ねぇねぇねぇねぇ……!」
声が、壊れたラジオのように繰り返される。渚ちゃんの目が、どこか焦点が合ってない。
俺は思った。あれ? これ、ホラー映画で見たやつじゃないか……?
「ご、ごめん!」
俺は全速力で逃げた。逃げる以外の選択肢が浮かばなかったんだ。
*
翌日――
「恋太くん!、今日放課後遊ばない?」
……なんで!? あんな出来事があったのに、なかったかのように笑顔で話しかけてくる。
「ご、ごめん、今日はちょっと用事があるんだ……」
「そっかぁ。ちなみにどんな用事?」
「親と、大事な買い物があって……」
「そっか! それなら仕方ないよね!」
一瞬、目がギラッと光った気がしたが、笑顔でその場を去る渚ちゃん。なんとか今日は無事帰れそう――そう思った、夜。
⸻
夜中の1時。
ピロン。ピロン。ピロン。ピロン。
止まらないスマホの通知音。
「なんだよ……うわっ……」
画面には、俺が記憶すらしていない天童渚”からのメッセージが100件以上届いていた。
――え? 俺、渚ちゃんとメッセージ交換したっけ?
「恋太くん! 今日が初めてのメッセージだねっ!」
「親と買い物って言ってたけど、家から一歩も出てなかったよね? 心配になっちゃって、ずっと見てたんだぁ!」
「ねぇ大丈夫? 親とケンカでもした? もしそうなら、私が慰めてあげるから…… 恋くんは、私が守るもん!」
俺はスマホを放り出し、震えながら布団にくるまった。
見られてた……!?
あの目、あのメッセージ、あの執着――
あの瞬間、俺の中で「女子」という存在が一種の“恐怖”としてインプットされた。
俺はこのメッセージを見て今も"ヤツ"に見られているのかと思いその日は一睡もできなかった。
翌日学校俺は覚悟を決めて言うことにする。
「恋太くんおはよ!昨日連絡無かったけどどうしたの?すごく心配しちゃった!」
「あ、あー大丈夫さ、それより今日の放課後時間ある?話したい事があるんだけど、」
「え!恋太くんから誘ってくれるなんてもちろん時間あるよ!いいよ!」
「分かった。放課後屋上に来てくれ」
「うん!」
そして放課後。
「で話したいことってなに?笑まさか告白だったり笑」
「話したいことなんだけど、俺と関わるのを辞めてくれないか?」
「え、なんで、」
「ごめん。」
「ごめんだけじゃわからないよ!ねえ!なんでよ!?」
「もううんざりなんだ!お前といると疲れる!頼むから楽にさせてくれ、」
「なんでよ、ただ私は恋太くんのことを思って、」
「ごめんじゃあね」
「待ってよ!」
俺はこの場を逃げるように走り去った。
「待ってよ、絶対に許さない、私と結ばれる運命なんだから、、、、」
そんな事があり初恋はただトラウマしかない。
それ以降も女の子達と関わりはあったが全部渚みたいなヤンデレ気質な子、しかし!このまま童貞で終われない!俺はこの高校でデビューをし彼女を必ず作る!
「……あんた、またそんなこと言ってるの?」
登校前の朝。玄関を出ると同時に、目の前には見慣れた少女――岩井美久の姿があった。
小柄で可愛らしい外見。ぱっちりした目に整った顔立ち。世間的に見れば“彼氏がいないほうが不思議”なタイプだ。せっかくいいルックスなのに一度も彼氏ができた事がない、
「美久か。……頼む、俺に協力してくれ!」
「ん?」
俺は地面に手をついて懇願した。
「俺は高校生活で絶対に彼女を作って、青春を満喫したいんだ!」
「……ふぅ、仕方ないなぁ。ほんと、昔からそういうところ変わらないよね」
美久は呆れたように笑って、それでも――どこか嬉しそうだった。
「いいよ。協力してあげる。ただし、まずは女慣れからね。余裕のない男は、女子から見て魅力ゼロだから」
「たしかに……で、どうすれば?」
「あたしとデートね! 明日駅前で集合、遅刻厳禁」
翌日――模擬デート
「美久と二人で出かけるなんて……いつぶりだっけ?」
駅前。人混みの中、自然と彼女と並んで歩く。
美久はミニスカートに白いブラウスという、見慣れないほど“女の子らしい”格好をしていた。
(……俺のためにオシャレしてきた? まさか、な)
「今日は映画見て、ご飯食べよっか。高校生らしくね」
「お、おう!」
「はい、手出して」
「え?」
「デートって言ったでしょ? 手ぐらい繋がなきゃ、練習にもならない」
そう言って、彼女は俺の手をぎゅっと握った。
「なんでこいつさっきから平気そうなんだよ、俺なんて男として見れないのか、なんか少しむかつく、」
嘘である。
(やばい……! やばい!!)
(手繋いじゃった! 手繋いでる! しかも、自然に! これはもう恋人みたいじゃん!?)
(……あぁ、でも。もっともっと、触れたいな……私だけ見てほしいな)
(今までれんたに近づいてくる女はかなりいた。あんなに彼女欲しいと言うが恋太はすごくモテる。でも近寄ってくる普通の女の人は毎回私が邪魔をしてきた。恋太は気づいていないと思うけど、でも私だけ見てくれたらいいんだし関係ないよね?笑 )
デート終盤――夜
「今日はありがとうな、美久。すげー勉強になった」
「でしょ? あたしに感謝しなさい。これで女の扱いもほんのちょっとはマシになったんじゃない?」
「はは、まぁな」
「……ねぇ、最後にハグぐらいしなさいよ」
「ハグ!? お、おい美久、そこまでやるのかよ!?」
「当たり前でしょ? “練習”なんだから。……女の子に恥かかせないでよね、」
そう言い俺は照れながらも人生で初めてのハグをする。
(はぁ……れんたのぬくもり……やばい……このまま時間が止まればいいのに)
(この感触、忘れたくない。いや、忘れさせない)
(何がなんでも……誰にも渡さない。ね、れんた?)
※
気がつけばあっという間に高校入学式翌日。
「よし、ここが俺のクラスか……初日の印象が大事って言うしな!」
ガラッ
「きゃっ!」
開けたドアの向こうで、誰かとぶつかってしまった。
「あ、す、すみません! 大丈夫ですか!?」
「はい……だ、大丈夫です」
(……美人だ)
整った顔立ちにモデルのようなスタイル。黒髪ロングが揺れて、思わず息をのむ。
「私のほうこそ、ごめんなさい。ドアの前に立ってたのが悪かったですね。怪我してませんか?」
「いや、足ちょっと挫いただけで……大丈夫です」
「じゃあ、保健室行きましょう! 私が付き添いますから!」
(なんだこの流れ……まるで運命じゃないか?)
保健室。
「先生いないな、」
「学校初日ですからね、会議にでも行ってるんじゃないでしょうか。」
「そうか、それよりもう一人でできるし大事な初日なんだから教室に戻って大丈夫だよ」
「いいえ!だめです。私のせいで怪我したんですからせめて看病はさせてください!」
「分かった、」
「それより、お名前を聞いてもよろしいですか?私は西条寧々(さいじょう ねね)っていいます。」
「一ノ瀬恋太。よろしく」
「……一ノ瀬、恋太……ふふっ、素敵なお名前ですね。
これも何かの縁ですし良かったら、連絡先……交換しませんか?」
「あ、ああ。もちろん」
(……見つけた。やっと、やっと見つけたの。運命の人)
(この出会いは偶然じゃない、必然……)
(あなたは、私だけの王子様よ。絶対に、逃がさないから)
もちろんヤンデレ女である。
*
翌日
ある程度仲良い友達もできて今頃はいい学校生活は遅れているが、やっぱり彼女欲しいー
「腹減ったし購買でなんか買うか。」
昼休み。購買前は、毎年恒例の戦場だ。
「うわ、すげー人……」
そう思っていると、一人、人混みの中で立ち尽くす女子の姿が目に入った。
周囲の視線を集めるほどの美貌。どこか近寄りがたく、女優のような雰囲気。
(……俺、何やってんだ! こういう時こそ“彼女づくり”の練習だろ!?)
「すみません、何か欲しいものありますか?」
「……カレーパンと、メロンパン」
「任せてください!」
人の間をぬって、俺は目的のパンをゲットした。
「どうぞ、先輩」
「ありがとう。……って、なんで私が先輩だってわかったの?」
「雰囲気が……明らかに違ったんで」
「ふふっ、そう?笑」
先輩は照れながら笑った。
「お金渡すね、ここ人多いからちょっと来てくれる?」
「はい。」
人目を避けるように、先輩は俺を校舎裏に連れていった。
「人が多いところ苦手なの。ここ、落ち着くでしょ?」
「たしかに……静かですね」
「そうゆえば自己紹介がまだだったね、私は遠藤美月2年B組よ。」
「自分は1年A組の一ノ瀬恋太です。」
「かっこいい名前ね、」
「はい。」
照れている恋太
「どうして先輩はこんなところにいるんですか?」
「……私、自分で言うのもなんだけど、かなりモテるのよ、でだいたい、一日一回は誰かに告白される。告白避けるために昼休みはここにいるの」
「そうでしたか、自分はいつもモテたい欲があってとにかく彼女が欲しくて必死でしたが、でもモテるって、大変なんですね」
「ふふっ。ねぇ、れんくん。私が彼女になってあげよっか?」
「えええええ!?」
「……冗談よ、冗談笑」
(うわー、心臓に悪いって……でもマジで、笑った顔が綺麗すぎる)
遠藤美月の裏側
(やっぱり素直で可愛い……しかも、無防備)
(これは思った以上に簡単かもしれない)
(この子、きっと――他の女に取られたら、壊れる。……だから、誰よりも早く、“所有”しなきゃね”)
この先輩もヤンデレである。
*
放課後
「れんた! 帰ろ?」
「恋太くん、一緒に帰りませんか?」
西条寧々、美久、そして俺。まさかの三人が鉢合わせした。
(うわ、気まずっ……)
「恋太くん、この人は誰ですか?」
「えーと、彼女は俺の幼馴染の――」
「岩井美久。幼馴染って言っても、恋太の全部を知ってる唯一の存在だけどね」
「へぇ……」
寧々の目が一瞬だけ、細くなった。
「この子は……?」
「昨日の朝、ちょっとぶつかって……」
「ふーん、じゃあ“偶然”だったんだ」
「そうだよ?」
「ふふ。そう、偶然ね」
(今の一瞬、殺気……気のせいか?)
「んでどうすんの?!どっちと帰るのよ、」
この空気過去一気まずい。
「とりあえずみんなで帰ろ?ね?親睦も深め合いたいし!」
俺はこの状況を必死に抑える。
「まあれんたが言うなら」
*帰り
うーん気まずい帰っているのにまだ誰も一言も喋ってない、
「西条さんは家こっちの方なの?」
「はい!」
「帰り道ほぼ同じなんだね、」
「恋太くんのお家はどこですか?すぐそこのコンビニの近くにあるよ」
「えー近いですね。運命かも笑」
不意にもドキッとしてしまった。
「私は恋太と家隣だもん!」
いちゃついている二人を見て負けじと美久も対抗する。
「ちょ抱きつくなよ色々なところがあたってるぞ、」
「恋太くん!」
「西条さんまで」
この状況をどう説明すればいいかでも両手に花も悪くないなー。
「じゃあ俺家ここだからまた明日ー」
「はい!ではまた明日、
家ここなんだ、覚えちゃったー笑」
ピンポーン。
「ん? 美久?」
さっきぶりだけど急になんだ、
「……ねぇ、恋太。少しだけでいいから、話したいの」
表情が妙に暗い。あんな強気な美久が……?
「わかった。上がれよ」
「恋太の部屋久しぶり、全然変わってないね、なんだか安心する。」
「何もいじってないからな、
で話ってなん、」
美久はベッドに俺を押し倒した。
「おいっ、何やって――」
「ねぇれんた……彼女、欲しいんだよね?」
「……あ、ああ」
「だったら、あたしがなるよ。ずっとずっと、好きだったの」
「美久……?」
「我慢してたの、ずっと。でも、もうムリ。我慢できない。……ねぇ、あたしじゃダメ?」
顔が近づいて――唇が、重なる。
一瞬、頭が真っ白になった。
「お、おい、美久! やめろって……!」
「大丈夫、れんたのこと、誰よりも理解してるのはあたしだから」
「でも今までそんな素振り見せなかったじゃないか、」
「見せたかった!けど自分に言い聞かせてたの、恋太は幼馴染だって男女の友情は成立するって!でも気持ちに嘘はつけなかった、何度考えても好き、忘れようとしても好き、ねえ?付き合お?」
美久にドキドキすることはあったがあくまで信用できる幼馴染と思っていた、今まで一人の女子として見ていなかったから頭の整理が落ち着かない。
「私もう大人だよ?れんたのために見た目も女性っぽくなったでしょ」
そういい美久は俺の手を自分の胸に手をあてる。
「おい、やめろって、」
彼女は再び恋太の唇に唇をあて今度は舌を入れる。
「ちょ、こいついつの間にか力が強くなって対抗できない。」
ガチャ――
「ただいまー。あら、誰か来てるのー? 」
「えへへ、お邪魔してましたー!」
「あら美久ちゃんじゃない!べっぴんさんになってーまさか取り込み中だった笑」
「いえいえ笑昔みたいに遊んだだけです。時間も時間なんで私はこれで」
「いつでも来ていいからねー!」
「はぁー母さんのおかげでとりあえずこの場を逃れた。しかし美久が俺のことを好きだったなんて、しかもファーストキスまで奪われちゃった、」
*
美久帰り道
「ふふ、奪っちゃった。ファーストキス、もらっちゃったよ……」
「恋太の唇、やわらかかったなぁ……この調子で、もっともっと“既成事実”増やさなきゃ」
「……絶対に逃がさないから。恋太は――あたしのもの」
*
翌朝、再会
「はぁ……昨日はヤバかったな……って――」
「おはよう、恋太くんっ!」
「……渚、?」
「覚えてくれてたんだぁ……嬉しいなね、また会えたんだし、今度こそ……付き合お?」
「え、ちょ、待って!? なんでここに――」
「うふふ、運命だよ? 恋太くんは逃げても逃げても、私のところに戻ってくる運命なの」
(終わった……やつが、来た……)
俺はこの場を逃げるように走り学校に向かった。
※
学校、恋太が席を外していた数分間。
「……っと」
何気ない顔で彼のスマホを手に取り、ロックを数秒で解除。
(この前、寝てるときに指紋登録済みっと……)
美久は慣れた手つきでアプリを起動していく。
「ふんふん……最近よくLINEしてるのは……“寧々”保存完了っと」
西条寧々のLINEのアイコン、メッセージ内容、位置情報送信履歴。すべてスクショ済み。
「GPS追跡アプリもサクッとインストール……恋太の移動経路、毎日チェックできるね♡」
寧々の思い。
「ねぇ恋太くん、SNSやってる?」
「え? まあ、ちょっとだけ……」
「じゃあ、フォローしていいかな?」
「い、いいよ……」
――数分後。
「……なるほど。最近の投稿、“美久とのお出かけ”……“購買のパン”……っと」
寧々は無表情のまま、スマホのメモ帳に記録をつけていた。
⸻
【恋太観察記録】
・購買で先輩(遠藤美月)と接触済
・ランチの店で“女物のマグカップ”写り込み → 美久?
・朝の登校ルート、徒歩18分 → 途中で誰と接触するか要観察
「ふふ……彼の行動すべて、私の目の中で整理されていく」
「完璧な彼には、完璧な恋人が必要なのよ。恋太くん、あなたの人生はもう“私の手の中”」
美月:先輩という“立場”を利用する女
「ちょっと、後輩」
「は、はい! なんでしょう、美月先輩!」
「一年のA組に、一ノ瀬って子いるでしょ? その子のまわりに、変な女がいないか調べといて」
「へ? ……あ、はい!」
「噂とかグループメッセージとかスクショできたら、あとで見せて」
(先に噂潰ししておかないと面倒だしね……“岩井美久”?“西条寧々”?)
(可愛い後輩ちゃんたちに恋太の魅力がバレる前に、芽を摘まないと)
*
天童渚:待ち伏せと“奇跡の再会”
早朝、通学路の公園。
ベンチに制服姿で座っていた渚が、パッと立ち上がる。
「恋太くんっ!? 偶然だねーっ♡」
「えっ……また!? ここ、家の近くなんだけど……」
「うん、そうだよ? 知ってるから♡、変わってなかったんだね?」
(……言った。ついに言っちゃった)
「嘘だろ、あれから引っ越した感じに完全に偽造したのに、」
「恋太くんと私、きっとまた会えるって信じてたの!」
「ま、待って!? 俺急いでるから!」
(でも……それでもいい。また出会ったことが奇跡なんだから……この奇跡、逃さない)
⸻
放課後:美久、寧々、美月の「彼の思い。」
教室の隅、恋太が帰り支度をしていると――三人の女が集まってきた。
「れんた、帰ろっか」
「恋太くん、今日寄り道しない?」
「れんくんっ!今日は私、空いてるよ~?」
「……」
(うそだろ……全員来た!? なんでタイミングピッタリなんだよ!?てか先輩も?!)
「へぇ、西条さんもいたんだ」
「……岩井さんと遠藤さん、放課後の予定はなかったんですか?」
「私は先輩だけど? 後輩に用があるのは当然でしょ?」
「ふふ……それなら公平にしましょう? “どれだけれんくんを想っているか”勝負、しませんか?」
空気がピリッと張り詰める。
誰一人、笑顔の奥で目が笑っていない。
岩井美久
(西条……? 私のほうがずっと昔から恋太を知ってる)
(家も隣、キスも済んだ。何もかも、後出しで奪えると思うなよ?)
西条寧々
(美久……元から接触距離が近すぎる。感情ではなく、論理的に排除すべき相手)
遠藤美月
(正直、年下の二人なんて私から見れば“子ども”)
(でもれんくんは特別。本気で欲しくなった男に手加減なんてしない)
そして、
その様子を、少し離れた植え込みから双眼鏡で眺めている影――
「みんな、恋太くんを狙ってるんだ……でも、違うよね。恋太くんは、私だけを見てくれればいいんだ」
渚は、制服のポケットに怪しげな薬を忍ばせながら呟いた。
「だって……そうじゃなき
そして――
ついに一人目の犠牲者”が発生する
みなさんこんにちはフジチカです!初めて短編小説を書きました!ヤンデレ女子は一度描いて見たかったテーマなので書けてよかったです。少しでも反響がありましたら続編を書こうと思います!それとTwitterを設立しました!よければフォローお願いします!@fuzichika2525