風まかせ
話し方や笑い方が
とても素敵だった。
生まれつきの心地よさに、
落ち着けた。
誰だってそれぞれに、
相性はあるもの。
いつどこで生まれたか、
わからなくても。
我儘や疲れた顔、
見せてばかりだった。
生まれつきの性分は、
甘えてばかりで。
誰だってそれぞれに、
苦手はあるもの。
いつどこで死にゆくか、
気づかなくても。
春が来て、おぼろげな
あなたの顔、あなたの声、
もうはっきりとは
見えてはいない。
尋ね方や怒り方も
今では懐かしい。
大切なものというのは、
無くしてからわかる。
誰だっていつの日も、
大切を生きていたい。
出逢いでも暮らしでも、
時には気持ちでも。
春が来て、楽しげな
二人の夢、二人の日々、
もう誰かのもとで、
芽生えたかな。
春が来て、おぼろげな
あなたの顔、あなたの声、
もうゆっくりなら、
風に任せよう。