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序文 恋文
この物語は悠久の時を生きる、一人のエルフの女性、、、シルの生涯で一番輝かしかった日々を語る物語である。
何から話せばいいのだろう、、、悠久の時を生きる私にとって、人族との歩みはあまりにも短い日々だった、、、あれからとれくらいの時が流れたのだろう、、、長く生きると多くの事が、まるで風化するかのように、思い出も失われていく、でも不思議と彼との思い出は、色鮮やかで鮮明に思い出せる。
あれからいろんな事があった、、、楽しいことも辛く苦しいことも、、、世界はこんなにも美しくそして残酷で、、、
いや、それでもあの人との出逢いが、こんなにも素晴らしく輝かしいと思えた、私の生涯で一番幸せだったありふれた日々を語ろう、、、これは彼の英雄譚でも冒険譚でも無い、私からあなたに贈る時を越えたラブレター、、、