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三つ目


お前に三つの目をやろう。


一つ目は鳥の目、全体を俯瞰して見る目だ。


二つ目は虫の目、細部を細かく見る目だ。


三つ目は魚の目、時代の流れを見る目だ。


どれかを選ばなくてもいいさ。


全部やるよ。


なんせ、その全部がないと生きては行けないからな。


その全部がないと、いい仕事は出来ないからな。



***



私が子供の頃は、世界最高齢の方が御存命で、その御方は江戸時代から生きてあった。


また、戦争の除隊命令がなく、太平洋戦争が続いてるとして、ジャングルで何十年も生きて、そして、生きて祖国の土を踏んだ方もいらっしゃった。


その時に流行した言葉もあった。


沖縄も当時は外国で、パスポートが必要だったし、通貨はドル、車は右側通行だった。



***



時は否応無しに流れ、私も俸禄を頂くようになり三十年が経過した。


三つの目は只で貰ったという訳では無い。生きていくため、仕事をするために身に付ける必要があったものだ。


普段は虫の目だけでも最低限の仕事は出来るが、いい仕事をするためには鳥の目、魚の目も必要だ。


しかし、何十年経とうとも、連休明けの朝はどうも足が重たい。


この4月から就職した方は憂鬱な気持ちになるのは当たり前だ。


どうか安心してもらいたい。


三十年選手の俺だって、どうやらこうやら岩にかじりついて、必死に職場に行ってるんだからな。


俺の眉間に深く刻み込まれたこの皺がそのことを静かに物語るのさ。


そのうち皺が窪みから割れ目となり、そこから目が出てくるかもな。


それが「三つ目」の目になるって訳さ。



挿絵(By みてみん)





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