老人28号
令和6年4月27日に記す。
仕事帰り、ふと街中のショーウィンドウを見た。
そこには見たこともない老人の姿が写っていた。
「お前は誰だ」
と心の中で問うた。
そうしたらその老人が答えた。
「俺か? 俺はお前だよ。10年後じゃねぇぞ。今のお前だよ」
驚いた。
これが俺なのか。
嘘だろ。俺はこんな老人じゃねぇよ。
そう心の中で叫んだ。
しかし、この心の叫びは誰にも届かない。
***
週末、山に登った。
足を悪くしてしまい、山からは遠ざかってしまってからもう何年にもなるが、足の調子もだいぶ回復して来たので、思い切って登ってみた。
春先であったこともあり、新緑が眩しく、かなりのストレス解消となった。
大所高所から見る我が家はちっぽけだし、でもホントは見えないんだけど、日頃のちっぽけな悩みがほんとにちっぽけなものに思える良い機会となった。
リフレッシュとはほんと陳腐な言葉かもしれないが、それでもリフレッシュとなる良い機会となった。
なので、ショーウィンドウの鏡よ鏡よ鏡さん。
ちょっとはリフレッシュして若返ったんだから、今度写る時は、老人28号から少しは若くしてもらって、老人8号くらいにはしてくれないかな。
頼むからさぁ。