任侠映画
任侠映画を観た。
地元が舞台であったが、明治初期の設定で、親父も喋らないような方言、私が子供の頃に田舎で親戚が集まって祖父達が話していたような語音の微かな記憶が蘇る。
田舎も活気があったことがよく分かる。
このような任侠映画が当時流行ったのもよう分かるし、今はもう無くなって行ったのもよう分かる。
しかし、このような任侠映画は私みたいな小心者には小気味よく感じられて気持ちが良い。
映画の中の主人公はいつも冷静沈着で格好良くて酔いしれる。
人は自分には無いものに憧れ、それを異性や小説や漫画や映画の中などに求めるのであろう。
私も普段はこのような稼業とは掛け離れた仕事を生業としている。
弱い者がある日突然スーパーパワーを手に入れたり、努力して強くなったり、異世界へ転生して奇想天外な物語の主人公になるような話の原型はこんな任侠映画にあるのではないかと思ったりする。
いやいや。映画の評論をするつもりは毛頭ないんだ。
ただ、日曜日に弱気になってる自分と対比してみただけなんだ。
***
任侠映画を観るとどうも肩に力が入っちまうなぁ。
さてと、俺は現実世界に戻って、明日からの仕事に備えないとな。
「なんな兄弟。そげんな弱気でどげんするとか。ばしっと決めちゃらんね」
ふと、俺の中の「兄弟」がそう背中を押してくれたような気がした。