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街路樹
家の近くにある街路樹に看板が括り付けられており、道路行政の都合上、近々伐採するとの予告があった。
何となくもやもやしたものが頭に過ぎったものの、そのまま通り過ぎていったが、今般、予告どおり伐採が完了していた。
人間の都合で植樹され、人間の都合で伐採されたことになる。
しかし、安易に行政を批判することは私には出来ない。
少なくとも人はそうやって、他の生物の命を戴いて命を繋いでいってるのである。
長年、人々の暮らしを見てきたその街路樹は何を思うだろうか。
知る由もないし、知る術もない。
ただ、風が吹くまま気の向くまま、想像するしかない。
お化けになって復讐するかい?
まぁ、そうはならないのだろうね。
お前はどことなく俺に似てるしな。
そして、やがては俺も街路樹が伐採されたことすら忘れるのであろう。