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識者の見解


吾輩は法律家である。


名前などない。


正確には、名乗る程の名前などないといったところだ。


しかし、それで良いのだ。


私の仕事に個性的であることは好まれないし、寧ろ厄介な足枷(もの)となる。


誰がやっても同じ結果(こと)になるというのが理想だ。



***



もう5年以上前のことである。


5年後にはホワイトカラーの仕事の半分はAIに取って代わられるという識者の見解が世の大勢であった。


そうかい。


だったら俺の仕事を奪ってくれよ。俺達の仕事を楽にしてくれよと、そう思っていた。


しかしどうだ。


仕事は増える一方で減る気配などない。



とある識者は、ロシアとウクライナの紛争がぼっ発した時、この紛争(せんそう)は2か月で終わると言った。


このままこの紛争が続けば、ロシアの経済は2か月で破綻するからというのがその理由(こんきょ)であった。


私も紛争は望まないのでそうであってほしい、というかそうなるのだろうと思っていた。


しかしどうだ。


そうなったかい?


いつの世だって、識者が言うことがすべて正しいとは限らないのさ。


まぁ、かくいう私も識者という訳ではないし、かと言って預言者でもないので、何とも言えないがね。



「良い法律家は悪しき隣人である」


法律を学び始めた頃によく目耳にした言葉である。


憎まれっ子世に憚るの例えのとおり、世に憚って生きて行くのさ。


とは言え、この言葉も虚しく響くだけだがね。




挿絵(By みてみん)




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