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ボトムズ ~底辺の者たち~
格好良いカッコ悪さ。
カッコ悪い格好良さ。
歳を重ねてくると、カッコ悪い格好良さが分かってくる。
不格好な格好良さにそこはかとない心地良さを感じてしまう。
俺だって若い頃はカッコいい格好良さを追い求めてたし、憧れもした。
でも今は、オリンピック選手よりも、汗水垂らして、泥まみれになって働く名もない労働者に惹かれるものがある。
そりゃ、オリンピック選手やスポーツ選手、煌びやかな芸能人だって格好良いと思うが、何処か違う世界の手の届かない人達にしか思えないんだ。
這いつくばって生きていく儚さや泥臭さに、不格好な格好良さをおぼえちまう。
泥まみれの手、皺くちゃの手。
上等だぜ。
格好良いじゃねぇか。
いやなに、ただの酔っ払いの戯言さ。
聞き流してくれよ。