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妖神学園 改正版  作者: 戯伽
2年生
95/103

17.特級戦⑵

 氷漬け後、散った破片が五体に分裂し、本体一体に五体で計六体の特級怪異が生まれた。史上最多の特級怪異。


 サイズ的には全部3メートルないが、妖力量が異常。




 特級四人、炎夏、水虎により押さえられているが、水虎は早々に脱落しそうだし炎夏も辛そう。




「鬼互せんせー炎夏と交代」

「玄智が指揮取るん……?」

「黙って動け低脳」



 月火と火音、火光が指揮を取れない以上、動かない玄智がやるしかない。ただし玄智には月火のような天才的な頭脳も火音のような策略も火光のような経験値もないので、パソコンを使って今の状況を書き込んで、状況を叩き込む。




「水虎様あと何分持ちますか」

『今耐えてるのを褒めてくださいッ!』

「うるさ……」

「玄智さん! 俺行けます! 少しでも特級を休めて……!」

「でしゃばんな自己顕示欲。死にたきゃよそで死ね」




 主砲は特級四人に炎夏と水明、水虎。水明は月火のことなので、なにかのために取っておきたいだろう。麦と氷麗は無駄死にになる。

 一級は水虎と廻醒がギリなのだ、炎夏より下の無能共には十秒も務まらない。



 緋紗寧は妖心術しか使えない、水明の補佐に置いておきたい。





 玄智の二秒間の思考の次に、火音の声が聞こえてきた。




「玄智、作戦は」

『屑を放置して本体を叩きたい。弱ればまた一体に戻る』

「現状は?」

『本体を先生が押さえてる。他五体』

「これで端くれかよ……」



 火音は胴体を切断すると、頭を蹴り飛ばした。

 月火の思考が強くなって、ちょっと思考がまとまりにくい。



「場所は?」

『本体の方に直線で先生と月火、十時に水月と五時に水虎、二時に鬼互』



──妖心術 雷穿(ライセン)──



「一体片付いた」

『ふぁ!?』

「タイミング図れ。全部屑なら祓える」

『待って何するの!?』

「全員横10メートル以上離れろ、死ぬぞ」



 本当は麦の兄を叩き起して妖心とタイマンで押し相撲させたかったのだが、なかなかに重篤のようなので諦めた。





 一秒後、玄智の合図と共に、空に漆黒と言えるほどの雷雲が現れ、絶対さっきの咆哮より大きい雷鳴が轟いた。



──妖心術 雷漸(ライセン)──



 空気が割れ、怪異が燃え消える。




「本体集合」

『なんて!?』



 つーか、黒葉か白葉なら喰ったら祓える気するが。




 残念、黒葉は完全なる肉食。動物の怪異しか食べない。

 白葉に関しては、麦兄に憑けているので呼べない。たぶん呼び寄せたら本体が麦の方へ行ってしまう。






──妖心 雷神──



「殴れ」

「承知」



 火光に襲いかかっていた怪異を雷神が殴って、それと同時に電撃が怪異の全身を貫いた。




「助かった!」

「怪我は?」

「ないよ天才だから!」

「さすが」



 飛んできた火音は宙で一回転して勢いを付けると、怪異の頭を地面に叩き付けた。




──妖心術 狐鬼封縛(コンキフウバク)──




 黒縄(こくじょう)が怪異を縛り上げ、全員が揃うと共に火光は一息つけた。




『月火指揮交代してッ!』

「廻醒と水虎さんは下がってください。火音さん祓えますか」

「いや無理」

「完全に燃やし尽くすとかで一片の破片もなく消しされば祓えると思うんですよ。破片が残ればコアが移動するので」

「んななんでもありありかよ……」

「火光疲れすぎて日本語おかしいよ」

「疲れてんの喋らせないでッ!」

「喋らなくていいよ……?」

「僕抜きで喋んな」

「面倒くさッ」



 廻醒と水虎が下がって、二人が喧嘩するのを無視して火音は月火の方にやってきた。



 木で切れた額の血を袖で拭う。


「平気ですよ」

「どうすんの?」

「とりま微塵にしたら燃やせます?」

「……多すぎると無理。でかいと穴あくだけになるから」

「限界値は?」

「まぁできる限り」

「ねーお二人さん? 一旦離れよ?」



 なんか、でかくなり始めてますし。





 火光の言葉を皮切りに怪異が無茶苦茶に腕を振り始め、四人はそこを飛び退いた。




「どう消し飛ばします? 的はでかいですけど」

「……僕は戦力外だよ? 消し去るとか無理」

「一番可能性あるの月火だけど」

「んー……」



 火音は悩む二人の首根っこを掴んで月火の腰に腕を回すと、雨雲を蹴って上に避難した。


 でかくなって間合いが広くなった。のに、まだでかくなり続けている。




『ねぇ先生、大丈夫?』

「ちょっと火音削ろうか」

「……麦妹どこにいる?」

『えっと』

『ここいますよ! 本部とは離れてます!』

「戻れすぐ戻れ……!」

「狙いそっちか……!」



 親の怪異なら、娘に反応するのもおかしくないってことね。




 火光は本体に向かい、麦を見付けた火音はそこへ落ちた。




──妖心術 雷衛(ライエイ)──


 目の前まで迫ってきていた手を雷の網で防ぎ、麦を抱えながら特級の手や術を避けながら本部まで戻った。



「白葉こいつ守れ! 本体来るぞ」

『ちょっと火音ッ、ねぇ本体向かってるんですけどッ!?』

『迎え撃ちましょう』

『そこ本部ッ!』

「頼んだ座敷童子」

『僕に言えよバカッ!』



──妖心術 守衛(シュエイ)の牢──



『兄さん完璧』

『うんたぶん三発持たないよ?』

『は?』

『建物じゃないもんッ! 僕じゃなかったら結界すら張れないからね!』

「大丈夫繰り返せば三発も永遠になる」

『僕ッ……もーッ!』



 怪異が両腕を振り上げ、片手で結界が崩れ、火光の体勢が一切整う前に片手が本部に向かって振り下ろされた。




──妖心術 氷壁透樹(ヒョウヘキトウジュ)──



 真っ透明な氷の壁が現れ、その片手を食い止めた。



「氷麗さん……!」



 その片手から怪異の体が凍り付き、動きが鈍くなる。



『氷麗が初めて役に立った』

『役に立ってよかった。下手すりゃ氷砕けて被害増大してましたよ』

「氷は私の手から離れたら消えるからそれはない」

『へー、便利なんだか不便なんだか』

「月火さんッ! 氷麗さん、術が暴走して……!」




 氷麗の吐息が白くなり、頬が凍り始めた。




 妖心術の暴走。火音が自分の雷にやられるように、火光が座敷童子に監禁されるように、妖心術は暴走すれば、主にさえ影響を及ぼしそれは時に命を死の淵に立たせる。



『ここに治療できる妖心術はありません。あとで私が治します』

「……はッ!?」



 氷麗は自身の指先が凍り始めているのに気付き、目を丸くした。



「何暴走ってんな早くッ……!」

『氷麗壁ッ!』




──妖心術 複写(コピー)氷壁透樹(ヒョウヘキトウジュ)──



──妖心 白虎──




 水月の妖心術と水虎の馬鹿でかい妖心の肉の壁により本部への被害は免れたものの、何故か氷麗の妖心術を乗っ取った怪異は自身の氷を溶かし、腕を無茶苦茶に振り始めた。




「主様……!」



 月火の痛みが直で火音に移り、火音は顔を押さえた。


 目だ。





 本部の、壁の内側にいた火音の雰囲気が変わり、感じれる妖力が跳ね上がった。




──妖心 九尾の狐──

──妖心 雷神──

──妖心術 狐鬼封縛(コンキフウバク)──

──妖心術 雷漸(ライセン)──

──妖心術 遊雷(ユウライ)──




 雷神が月火と水月を、酒呑童子が火光を回収し、動ける妖輩は最前線に立った。




「こうなりゃ出し惜しみなしの総力戦や」

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