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妖神学園 改正版  作者: 戯伽
1年生
34/103

34.会議

 会議室に集まり、月火は机に腕を組んで突っ伏し寝こける。



 火光も窓辺にしゃがみ込んで寝ていて、その姿はよく似ている。




 さすがの晦も最近の仕事量を知っているので起こすことはできず、炎夏に進行を頼んだ。




「炎夏さん、お願い」

「えーなんで俺が」

「私大学部の子達知らないもの……」

「月火、起きて」

「……書記候補」

「僕字汚いから無理」

「俺書くの遅いから」



 月火がのろのろと顔を上げると、暒夏が小さく挙手をした。




「月火ちゃんがやるなら手伝うよ」

「はー……」






 体育祭の演目は妖輩コース生が一ヶ月前に会議室に集まり、生徒達で決める。

 いや教師に妖輩コース卒がいれば教師も案を出すんだがな。


 なんせ妖輩を育てる世界一を誇る機関。妖輩の体術を体現するには妖輩が自分で決めないと。


 凡人に天才の限界は分からない。





「……えーと、さっさと決めたいです。体育祭演目候補を一人一個あげてください。ダブり禁止」

「キツすぎるだろ」

「はい千キロリレー!」

「パン食い競走!」

「水泳リレー!」



 出される前に出した高等部一年生はやりきった顔をしてからスマホをいじったり課題を始め、他学年はなんとも言えない顔をした。



「他の案〜」

「……大学生出せよ!」

「二人三脚とか?」

「御三家でなんかやれよ! お前には期待してねーけど!」

「クイズ大会でお前の馬鹿晒すか?」

「やめて」

「体育祭つったら騎馬戦だろ」

「棒倒し!」

「応援合戦!」

「演舞やりゃいいじゃん。応援合戦の中で」



 月火は机に手を突いて俯いたままあくびをし、暒夏は色々とまとめていく。



 この人空間認識能力と状況把握能力が長けているので何かと良いようにやってくれる。








「……出切ったかな」

「二人三脚は人数少ないのにさらに減らすことになるぞ。無理だろ」

「応援合戦だって誰も求めてねぇよ!」

「何を!? 大声で士気を高めるのが……!」

「そーゆーのいいから。……中等部の子はやりたいものある?」



 中等部は誰も何も言えず、炎夏が鼻で笑っているとふと玄智が炎夏に耳打ちをした。



 それを聞いた炎夏は視線で玄智と会話し、協定を組む。




「ねぇ月火、各学年に合わせた演目にしたら? 初等部に合わせてたら僕らただのお遊戯会になるよ」

「……各部に別れて二十分後提出にしましょう。暒夏さんも加わってください」

「はーい」



 月火はホワイトボードの最前列真正面を陣取る一年ズを見下ろし、特に炎夏と玄智には圧をかける。



「変なこと、考えてないですよね?」

「まっさかー」

「俺らをなんだと思ってんの」



 月火と玄智は椅子を引っ張ると炎夏と結月の向かいに座った。


 炎夏は机の下で月火の足にちょっかいを出し蹴られる。




「僕実行委員がいいなぁ。ねぇ炎夏、やろうよ」

「いーぜ」

「え私も?」

「月火は疲れてるだろうから休んでな? ここは男に任せてさ」

「任せました炎夏さん」

「おい僕は」

「あぁ男だったんですか」



 月火の半笑いに玄智が切れて月火の首を絞め、月火はすぐさまギブを宣言する。




 それが面白くて炎夏と結月が笑っていると、ふと月火が玄智を見上げた。




「玄智さん、筋肉付きました?」

「そりゃあ毎日筋トレしてればね」

「筋肉付きすぎで身長伸びないのでは?」

「えマジ? そんなことある?」

「お前背筋やりすぎだからだろ」

「ちょっとペース落とそうかなぁ」

「皆って筋トレどんなのやってるの?」




 一年は完全に話し合いがお喋りタイムと化し、結月に筋トレと柔軟を伝授する会に変わった。




 結月は今はほぼ授業と水泳で筋肉を付けている状態なので、寮でどんなことをやっているのか聞きたかったらしい。



 真面目ないい子だなぁと三人でのほほんとしていると、いきなり炎夏が誰かの何かで叩かれた。


 炎夏は頭を抱え、月火と玄智は顔を見合わせるとすぐに体育祭の話に戻った。




「水泳リレーなら水泳部も入れたいよね!」

「オリンピックが1人100ですから200は泳ぎたいですね!」

「一人長すぎない?」




 結月は恐怖で頭を抱えながら、恐る恐る後ろに立つ火光を見上げた。



「せ……せんせ……すみません……」

「筋トレのことはあとで教えてあげるよ。今は話し合いに集中しなね?」

「はい……」

「対応の差ッ! 贔屓だろ!」

「僕が起きないか気にしてた炎夏には悪意があったと判断して」

「玄智にもやれ!」

「顔上げたら?」



 突っ伏して頭を抱えたまま叫んでいた炎夏に月火が声をかけると、炎夏は顔を上げた。

 赤くなった額を押さえて火光を睨見上げる。



「……玄智、お友達から生贄に指名されたよ」

「は? 誰もお前に捧げるもんなんかねぇし」

「反抗期かなぁ?」

「お前アニメを穢すな」

「ガチオタだ〜」



 たまたまアニメのセリフと似たようなことを言った火光に玄智はアニメのセリフで返し、アニメオタクの炎夏は殺意の宿った目で玄智を睨んだ。

 玄智はへらへらしながらごめんねと謝り、炎夏は玄智に手を伸ばした。



 また火光が炎夏を殴る。




「扱いの差が……!」

「ま、可愛がられてると思って。月火二十分経ったよ」

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