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妖神学園 改正版  作者: 戯伽
1年生
19/103

19.写真

 翌朝、月火に半ば強制的に引っ張られながら廊下を歩いていると掲示板に人集りが見えた。




「うぇ……」

「集まってますねぇ」

「なーもーいーじゃん……。面倒臭いし」

「火音さんの都合で刺されたくないんです」



 月火は人集りに割って入ると掲示板に貼られているそれを見た。




──号外!! 高嶺の花の二人、裏の関係とは!?──




 こんなことで馬鹿晒されても困るんだよなぁ。




 紙を掴んでそれを剥がし、丸めるとゴミ箱に入れた。



「おい! 勝手に破るなよ尻軽!」

「器物破損で訴えますか。構いませんよ、盗撮と名誉毀損でやり返すので」



 中等部と喧嘩を始めた月火を眺め、まだかなぁと待っていると後ろから足音が聞こえた。



 嬉々として振り返る前に、首を絞められ目の前にスマホが出てくる。



「ひおとー?」

「なっ……」

「僕次やったら殺すっつったよね? 妹はともかく生徒には手出すなって。まさか僕の言葉忘れたわけじゃ」



 火光のスマホには火音が月火と手を合わせている写真が写っており、月火はそれを覗き込んだ。



 前におふざけでやったやつ。この直後に火音に手首折られかけた。



「火光……この写真どこで……?」

「チェーンメールみたいに出回ってるよ? そんなことより弁明は? 僕火音ぐらいならこのまま殺せる」

「ちょっ……あと頼んだ」

「えー」



 火音はスマホを見ながらどこかへ行き、残された月火は火光を見上げた。



「手の大きさどんなもんかなって。やります?」

「やる〜。……月火の手水月と似てる」

「そうですか? 兄妹ですからね。兄さんは水哉様と似てる気がします」

「そう?」

「細くて骨ばってる男の人っぽい手。玄智さんとか炎夏さんは結構女っぽい手なんですけど」

「へぇ」



 火光が月火の手と指を絡めて悪魔のような笑いを零しながら写真を撮っていると、いきなり横から蹴り倒された。



「退け邪魔」

「わー反抗期〜!」

「せっ、せんせい大丈夫……?」



 噂をすればでやってきた炎夏は火光を見下し、玄智は月火と腕を組んだ。


 結月(ゆづき)が火光に駆け寄ったので、月火は二人の頭と背を殴る。



「二人がこんなことするから私が尻軽とか言われるんですよ」

「え間違ってなくない」

「言った奴を吊し上げろってこと?」

「あーあ馬鹿しかいねぇ」

「冗談じゃん。ちゃんと殺すからー」

「で、どれ?」

「悪化してますよアホウドリ」

「あぁ!?」



 月火は首を絞めてくる玄智を無視して、スマホを開いた。

 火音からの電話。珍し。



「はい」

『計三十二の小型カメラ』

「持ってきてください。ホームルーム始まりますよ」

『死にてぇ……』

「ご自由にどうぞ」









 ホームルームが始まって少しして、顔色の悪い火音が教室の窓を開けた。


 月火の机に袋を置く。



「多い方がお前の寮」

「……皆さんも見てきます?」



 結月以外全員が飛び出していき、月火は結月に目を向けた。



「いいんですか?」

「うん……。毎日掃除してるけど、そういうの見た事ないから……。人からも置物とか貰ってないし……」

「えらッ……」

「お前もやってるじゃん」

「えぇ面倒臭いながらに」

「ご苦労さん。どうすんのこれ」

「まぁ神々製品ですし」

「すぐ見付かるか」

「夏休み前にはありませんでしたからね。おおよそ検討は付きましたよ」



 動画の撮影にでも使うのかと思ったら、まさか自分を撮影されるとは。


 高画質、超鮮明、大容量、ほぼ百八十度の高画角。


 高額な買い物をした人は全員個人情報を直筆にて控えてある。

 ここ最近でこのカメラをこんだけ買ったのは一人しかいない。




「覚えてんだ」

「顧客リストを頭に入れるのは当然ですよ」

「大会社のくせに」




 もうしばらくかかると思っていたが、炎夏が一人ふらっと帰ってきた。



「おかえりなさい。ありませんでしたか」

「いや、そーいや俺お盆終わったあとにカメラ一個捨てたなぁと思って。ものの場所ズレてたから気付いた」

「野生の勘ですね」

「うるせぇ。不法侵入とかしょっちゅうだし」

「鍵強化しますかねぇ」



 月火が悩んでいると、玄智と火光も戻ってきた。


 玄智は窓から入ると炎夏と話している月火の背に抱き着いて、火光は教卓に座った。



「なんですか……」

「怖い」

「私の方が怖いんですが。このカメラどこにあったんですか」

「全部屋」

「……月火、しばらくこっち来たら? 玄智も。お前らストーカーまけねぇだろ」

「まける方がおかしいんよ」

「私が炎夏さんの部屋に行くと火音さんも来ることになりますからねぇ」

「無理」

「うるさいですね分かってますよ。黙っててください」



 火音は口を閉じ、玄智はけらけらと笑った。



「……私はしばらく教師寮の方に行きます。兄さんに頼んだら鍵ぐらい付け替えてくれるでしょうし」

「そんなんしていいの?」

「え? 所有者は私ですが?」

「つよ」

「炎夏さんも水虎さんに頼んだらやってくれると思いますよ。あの方器用ですし」

「やってもらうかぁ……」

「先生僕は〜?」

「水月に頼んどいてあげる」

「やった」




 玄智は炎夏を席から退かすと自分の席に座った。

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