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なろラジ大賞3 応募作品

誰もが知ってるお菓子の正式名称を知る者は居ない

作者: 海堂直也

駄菓子屋。全国津々浦々少年少女の心を賑わす社交場であり、謎の味を多数取り揃えた魅惑の貯蔵庫。


そこには常時100を超えるアイテムがズラリ。一歩足を踏み入れれば目移りしない者など居ない。


それは30年の時を経て、同窓会に参加するついでに立ち寄った今日も、同じく私の心を踊らせた。


少し薄暗い店内に色褪せることなく敷き詰められた懐かしいお菓子と時代遅れの玩具は並びもさほど変わり無く、顔を覗かせるオバチャンの姿もさほど変わり無く。


「あんた達が小さい頃が一番賑やかだったねぇ」


昔話をさせて貰った。商店街には変わらぬお店の方が少ない。マンション・コインパーキング・コンビニ・何屋だか分からないが小洒落た店。そう言えば、小学校の校舎も、駅の改札も、自転車置場も変わってた。


私は、あいも変わらず店の中央に鎮座する何色が出るか分からないガムをはじめ、銀色の輪にカラフルなチョコが1つずつ納まったアレ・串に刺さっているヒラヒラした何か・ビニールのチューブを八重歯で穴を開け必死で飲んだ色は違えど味は変わらぬアレ・〇〇にそっくりな何か……


手土産と土産話を仕入れて参加した同窓会は、丸くなったガキ大将・すっかり面影の無い女子陣・さほど変わらぬ幼馴染み・見た目が丸くなった学級委員・等々、お菓子も人も町並みも、変わる所もあれば変わらぬ所も、何より変わらぬのは私の童心。


名も知らぬ懐かしいお菓子とオバチャンと、名を呼びあった旧友に、成長とは何かを教わった気がした。

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― 新着の感想 ―
[一言] この内容にあのタイトル。 めちゃくちゃ格好いいと思いました。
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