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-剣の定めⅢ-
-剣の定めⅢ-
夜が明ける。暁が翻るように消えていく。
澄んだ爽気を覚え、それに自分を重ね合わせていることに気づく。
紅く染まる上空が希望を孕んでいる。
忘れていた感情が沸々と浮かび上がるように、体に染み込む。
心地の良い夢に没入するように、ただ覚めるような紅色を見つめ続けていた。
境界を感じていた。ちょうど、君と俺の関係に近い。
踏み込むことのできない、区切られた場所に幽閉されているような。
悲願を睨む君は、何を感じながらその身を賭けているのだろう。