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聖剣の追憶  作者: あさかなさがり
第1章 -無力の英雄-
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-剣の定めⅢ-


-剣の定めⅢ-



夜が明ける。暁が翻るように消えていく。


澄んだ爽気を覚え、それに自分を重ね合わせていることに気づく。


紅く染まる上空が希望を孕んでいる。


忘れていた感情が沸々と浮かび上がるように、体に染み込む。


心地の良い夢に没入するように、ただ覚めるような紅色を見つめ続けていた。




境界を感じていた。ちょうど、君と俺の関係に近い。


踏み込むことのできない、区切られた場所に幽閉されているような。


悲願を睨む君は、何を感じながらその身を賭けているのだろう。

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