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第94話 林檎組のプロケルちゃん~小ネタ集②~

プロケル

48の軍団を率いる序列49番の公爵

見るからに天使の姿をしているけれど悪魔。とにかく口が軽い。温泉を掘り当てる。

●小ネタその壱


 遠藤はどこかで聞いたような言葉を園児に話す。幼い子ども同士が何の脈絡もなく、突然始めた自慢話で意味のないマウント合戦を繰り広げるように、得意気に。


「さいばば?」


「ううん違うよプロケルちゃん。サイババじゃなくてサイバーだよ『サイバー』。サイバーセキュリティをだね」


「さいばばのすきゃんてぃ?」


「ううん違うよ。スキャンティじゃないよプロケルちゃん『セキュリティ』だよ。……というか音感似てないよね? サイババのスキャンティってなんだろうね」


 そんな光景を目の当たりにして佐藤は思う。

争いとは、同じレベルの者同士でしか成り立たないものなのだ。と


 だが、この場合、果たしてどちらのレベルが高いのか……

 佐藤は考えるのを止めた。



●小ネタその弐

 

そろもん幼稚園では、『グリモア』という名の連絡帳が使われている。

主な用途としては親御さんとの相互連絡の為のものではあるが、七十二人もの園児の一人ひとりの様子を記録するという行為は非常に神経を使うものなのである。


 変わり映えのしない一日であったとしても決して『特になし』なんてことは書けはしない。無論、適当なことを書く訳にもいかない。大人しく特徴の少ない子であったとしても……


「ええと……『プロケルちゃんは今日も元気に、お友達と遊んでいました』『転んで膝を擦りむいたりもしましたので様子を見てあげてください』『これが波留先生だったら、今週末のイベントで膝を露出するコスチュームを着る予定なので、大変でしたけどね(笑)』……と」


「遠藤先生? 余計なことも書かないでください。あと『(笑)』はやめろ」



●小ネタその参


「プロケルちゃんは将来、何になりたい?」 


「う~ん、しらこ」


「白子!!」


「『ぽんず』みたいなおんなのことけっこんしたいです」


「白子ポン酢!!」


「『あいしょう』ってだいじ」



●小ネタその肆


「えんどうせんせー、どうしてそんなにかなしそうなの?」


「もう……春アニメ、終わっちゃったなってね。毎クール毎クール素晴らしい作品ばかり、一話で切ろうかなって思う作品もあるけれど……中には作画が崩壊しちゃってて物語が頭に入って来ないこともあるけれど、やっぱり私はアニメが好きなんだな。ってそう思うとなんだか最終回が待ち遠しいような、終わって欲しくないような……それでも、夏アニメへの期待感も」


「しらんがな」


「ひぇ冷たい」


「もう、なつですから」



●小ネタその伍


「きのう、『おなさん』のともだちとさぁ~おもいでばなしに……」


「ん? プロケルちゃん『おなさん』って?」


「『おなじさんふじんか』うまれの」


「同じ産婦人科生まれの友達と思い出話って、何も覚えてないでしょうに」


「いやぁ、あの『さんどう』はつらかった。とか」


「産道を山登りみたいに言うなし!!」


『『さんどう』をぬけたさきは、まぶしかったね。とか」


「だから産道を山登りみたいに言うなし!!」


「おもわず、かんどうしてないちゃったよ。とか」


「え? 産まれた瞬間の泣き出しってそんな感じなの?」



●小ネタその陸


「こういうものです」 ポロンッ。


「これはこれはていねいに」 ポロンッ。


「散歩中の犬じゃあないんだから止めなさい」


「ごめんなさい」 ポロンッ……


「儚げに出しても駄目!」


「うっ、うっ、うっ……」 ポロポロ……


「漏れてる漏れてる」

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