導入
「ダンジョンとは?
神秘や謎の秘められた。迷宮のことである。棲息する魔物もダンジョンによって異なり、魔法などを用いて生成された閉鎖空間であると形容することができる。
ラビリンスと称される例も多く、この言葉はミノス王がミノタウロスを監禁するため、工匠ダイダロスに命じて作らせたラビュリュントスに通じている。
各国に存在する様々なダンジョンは政府の下、「特殊遺跡及び霊異的文化財の保護、継承、禁止、浸入等についての規律」が魍魎暦5030年、制定された。その後、約300年間この法律が改正される兆しは一向に見えなかった。魍魎暦の間、ダンジョン及び特殊迷宮の類のすべては政府の管轄下におかれ、その後、「奇矯的遺産管理省」が設立し、殆どのダンジョンの調査を政府は管理省に委託し、ダンジョンの起源や歴史的価値、存在意味を探り、ダンジョン周辺に壁を設ける等を行った。
しかし、明徳帝が死亡し、直に明徳の息子の幸月帝が即位したが世界は乱れ、即位して二年後、何者かが鬼門を開き、犇く牛頭馬頭の群が全ての国衙を破壊。国は狂瀾怒涛の有様である。遺骸の山が国を覆いつくし、国は釁られた断片を残し、消滅した。
ダンジョンも断片の一部として残ったという次第である。」
アデレナ・ルイツィガーは流暢なゲヘルテネ語ではっきり読み上げた。