お泊まり会
「ねえ、カエサルは家ではどんな事してるの?」
「基本的には、魔法の練習かな。明日、いや今日からは剣の練習も増えるけど」
現在深夜1時をまわったところだ。すごく眠い。死ぬ前だったら、このぐらい問題なかったのにな。一回ふざけて、1週間徹夜ってのをやってみたけどできたしな。これも子供の体のせいか。眠い、だめだ。眠すぎて、なんか思考がおかしくなってきたかも。
「ねえ、カエサル聞いてる?」
なぜこんな事になっているのだろう?いや、原因はわかっている。あれは、寝室に入ってすぐの頃だったから、今から3時間ほど前の話だろう。
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「カエサル、なに寝ようとしてるの!?話をしましょう。まだ私もあなたの事をそんなに知らないし、あなたも私の事をあまり知らないのだから」
眠い。何故そんなに元気なのだろうか?やばい、寝そう。いや、もう寝てもいいだろう。明日起きたら謝ろう。
そこで、寝そうになってしまった俺の腹に強い衝撃が加わった。
「カエサル、寝ないで話しましょう。私が眠くなるまででいいから」
いや、それも無理そう。仕方ない、カグヤさんを呼ぶか
「カグヤさん」
とりあえず大きな声で呼んでみる。すると
「何でしょうか、カエサル様」
あっ本当に来た。ふざけて読んでみたが、本当に来るとは。
「カグヤさん、コーヒーもらえますか?カナリアが話がしたいみたいなんですけど、眠くて」
「はい、構いませんが、少し時間をもらえますか?」
「大丈夫です。お願いします」
「畏まりました。少々お待ちください」
カグヤさんが消える。またか、さすがにもう慣れてきたな。
「えっとそういう事だから、もう少し待ってて」
「分かったわよ。なら、私の分もお願い、カグヤ」
「畏まりました、お嬢様」
あれ、今ってキッチンにいるはずだよな。なんで声が届くんだ?まあ、いいか。カグヤさんはリアルチートキャラって事で納得しておこう。もしも、カグヤさんが某メイド長みたいに時を止めても、俺は驚かない。というか、そのくらいならできそうな気がしてきた。
それから、10分ほどでコーヒーは届いた。
「お持ちいたしました。どうぞカエサル様、お嬢様」
「ありがとうございます」
「ありがとうカグヤ」
俺とカナリアはコップを受け取る。そういえば生まれ変わってからコーヒー飲むのは初めてだけど、大丈夫だろうか?いや、多分大丈夫だろう。俺はコップに入ったコーヒーを飲む。
「美味い」
「お褒め頂き恐縮です」
俺が日本にいた時に飲んでいたコーヒーとは比べ物にならないくらい美味い。初めてこんなに美味いコーヒーを飲んだな。日本にいた時は目覚ましの効果としてしか飲んでなかったけどこの家に来た時毎回飲みたいくらいだな。
「では、何かあればまたお呼びください」
そして、またカグヤさんは消える。これは、本当に無音の魔法を覚えないと転生の話をできないな。
「飲み終わった事だし、話を始めよう」
あれ、なんかテンション高くね。コーヒーのせいか?あれ、俺墓穴掘ったんじゃね。これ、カナリアが眠くなるのって、いつになるんだよ。俺本当に眠れないかも。
「じゃあ、なにから話す?」
はあー、仕方ない付き合うか。
「始めはシンプルでいいだろ。そんだな、好きな食べ物とかでいいんじゃねえか?」
「そうね。私の好きな食べ物は、魚かな。焼き魚が好きなんだけど、この国は海が無いから、あまり魚が手に入らなくてあまり食べられないけど。カエサルあなたは?」
「俺は、肉かな。焼くだけでも美味いし、調味料によっても美味くなるし」
最近はエ◯ラの焼肉のタレが恋しくなってきたところだ。なかなか、再現できないんだよな。難しいんだよな、これが。今、一番美味くできたものを食卓で使ってるけど。
「んっ、そういえば川魚は食わないのか?」
「川にいる魚は食べられないわよ。なにを言っているの」
川魚が食えないってどういうことだ?毒でもあるのか?
「なんで、川魚は食えないんだ?」
「ちょっと待ってて、ここら辺に図鑑が、あったあった」
図鑑を広げそこに乗っていたのは日本でおなじみの魚ばかりだった。説明のところに毒があると書いてあるところ以外は
「毒ってどんな毒なんだ?」
「お腹が痛くなったりするや、死に至る可能性もあるらしいわよ。全部の魚ではなくて、なぜか同じ種類なのに毒があるのと無いのがあるのよ。だから、川魚は食べられ無いのよ」
症状的に寄生虫かな。川魚は、前世で何度か調理しているから、ある程度のことはわかるけど。
「火は通したのか?」
「当たり前じゃない。火を通さないなら海水魚ですら危ないもの」
火を通しても死なない寄生虫か。厄介だな。他の対処法を試してみないといけないな。確かたたきにするか、酢でも行けたはず。あと、冷凍処理でも可能だったな。とりあえず全部試せば死ぬだろう。でも、毒味役って俺がやればいいか。神聖魔法で治るんだし、
「川魚の毒を消す方法に心当たりがあるんだが試してみないか?」
「もしも、消せなかったら危ないじゃない」
「大丈夫だろう、どうせ神聖魔法があるし」
「はあー、なにも知らないの?魚の毒には解毒は効かないなよ」
そりゃあ、そうだろう。寄生虫は別に毒じゃないしな。多分ヒールかなんかでやれば大丈夫だろう。それに確か魔法にそこに生存している生き物がいるかを探る魔法があったはずだからそれ使えばいいだろう。反応がなかったら、死滅したってことで。
「まあ、試してみるだけだし大丈夫だよ。確実に安全だってわかったら食べてみるか?」
「もしかしてその自信も、あのことと関係あるの?」
「まあ、そうかな。おそらくその魚に毒はないと思うし」
「どういうこと?」
「ちゃんと確かめてから教える。帰ったらお父様に頼んでみるから」
「そんなの反対されるに決まってじゃない」
「大丈夫だ。もしも反論なんてしようものなら、約束を破ったことを盾に脅すから」
「自分の父親を平然と脅すとかよく言えるわね」
「魚は俺も結構好きなんだよ。特に刺身が一番好きだな」
「刺身ってなに?」
あれ、この国には生食文化がないのか。うまいのにな。まあ、ちゃんと処理しないと危ないしな。確か醤油はあったはずだしいけるだろう。
「刺身っていうのは生で魚を食べることだ。醤油に漬けて食べる食べ方だぞ」
「生って危なくないの?」
「ちゃんと処理すれば大丈夫だ」
「そう、なら作ってみて。食べてみたいから」
「そうだな。お父様からの許可が出たら作ってやるよ」
料理は愚姉のせいでできるから、揚げ物とかもいけるだろう。衣も日本にいた時から自作だし、天ぷらとかも作ってみるか。他の魚料理も作ってみるか、とりあえずカナリアの意見も聞いておくか
「カナリア、天ぷらってのがあるんだが食ってみたいか?」
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あれから、3時間ずっと食べ物の話で盛り上がったのだ。まさか、こんなに盛り上がるとは思っていなかった。まあ、そのせいで興奮したカナリアは眠くなるどころかどんどん興奮してきている。やばいな。マジで眠い。カナリアには悪いが先に寝させてもらうか。
「カナリア、そろそろ寝ないか?」
「まだ、2問目だよ。それに私そんなに眠くないし」
「すまん、そろそろ寝ないと明日の行動に支障をきたしそうだから寝かせてくれ」
カナリアはそれから少しの間黙ってしまった。やばい、怒らせてしまったか。とか心配したが、少ししたら顔を上げた。その顔は微かに赤らめている。
「な、なら私と同じベットで寝てくれるならいいわよ」
あっ、すごいテンパってる。まあ、拒否しても話が進まないし仕方ない。俺は躊躇いもなくカナリアのベットに移る。カナリアは気が動転したのか何かを言っているが耳に入らない。俺はベットに入ったと同時に、眠りに落ちた。
「おやすみカナリア」
かろうじて一言残せたが、明日謝ろうと思っている。
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ちゅんちゅん、そんな小鳥たちの声によって俺は目が覚めた。時間は9時だ。普通に寝坊だな。起こされなかったのはカグヤさんが気を利かせたのだろう。あの万能メイドのことだ。俺がカナリアを起こしたらすぐに出てくるのだろう。まあ、カナリアを起こさないといけないし起こすか。
「カナリア、朝だぞ。起きろ」
体を揺すりながら起こす。するとカナリアが寝ぼけた感じでこういってくる。
「うーん、カエサルもうそんな時間?」
あっ、寝ぼけてるカナリアも可愛い。いや、そうじゃない。
「もう、9時だ。そしてそろそろ」
「おはようございます。カエサル様、お嬢様」
ほら来た。絶対声聞こえてただろう。タイミング良すぎだろ。
「はい、外でお二方が起きるのをお待ちしておりました」
心が読まれた!?
「いえ、お顔に出ておりますよ」
そういうことか、またチート性能が上がったのかと思ってびっくりした。いや、表情からわかるのもなかなかだけどな。
「では、着替えはここにお持ちしておりますので、お着替えください」
あっ、俺の分もあるってことは、お父様きてのか?早く着替えるか。
「では、着替え終わったらお呼びください。着替えは変えられる前にお洗いいたしますので」
今回は普通に扉から出て行った。
「まあ、着替えるか。着替え見られたくないなら先に着替えて外出てるけどどうする?」
俺がカナリアの方を向くとそこには2度寝をしているカナリアの姿が。
「カナリア起きて着替えろ。もう朝だぞ」
それから、カナリアを起こし着替えさせるのに20分近くの時間がかかってしまった。
27〜31日まで学校の合宿があるため、投稿することができません。なので次回の投稿は8/1(土)の18:00とさせていただきます。
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