試合1-2
第2クォーターが始まった。
村田は相変わらずシュートを決めるが、
まったく美桜を見なくなった。
…わざと見ないのかな?
だとしたら、気まずいなあ。
”ちゃんと撮ってるよ”
って伝えたかっただけなのに、
”もう見るな”になっちゃったのかな。
日本語って難しい…
いや、もう疲れて、いちいち見れないだけかも。
ずっと走り回ってるんだもんね。疲れるよね。
ふと、村田と目が合う。
わざと?たまたま?
うーん…
そんなことを考えながら
ファインダーをのぞいていたら、
何だか疲れてしまった。
ちょっと休憩しよう。
カメラをおろして、試合をぼーっと見る。
出た、健吾の豪快なパス。
ふふふ。真ちゃんのレンズを割ったキラーパス。
それを受ける村田もすごいな。
あ、また3ポイント決めた。
ん?こっちを見たけど、笑ってない。
…村田の気持ちがわかんない。
難しいなあ、オトコ心。
”ピーッ”
そんなことを考えていると、休憩時間だった。
「村田、交代なー。最後の試合まで温存して」
健吾に言われ、ゼッケンを脱ぎながら、
戻ってくる村田。
「お疲れ様」
言いながら、美桜は村田にタオルを渡す。
村田は頷いて受け取る。
「…なんで写真撮るの、やめちゃったの?」
「ちょっと休憩してた」
笑って美桜は答える。
「村田は私を見ないようにしてた?」
「うん…。撮ってほしそうに見えるのかなと思って」
「違うんだ」
「…美桜に見て欲しいだけ」
「そっか。休憩してるみんなを撮ってくるね」
美桜は立ち上がって行ってしまった。




