2. コバルトブルー
昨晩、変な時間に目が覚めました。
たしか、3時30分ごろ・・。起きたら翌朝変なことになります。
しかし僕は脳が焼かれているのでXなんか開いてしまいます。
よくない、本当に。
普段忙しいのにこんなことをしていると、確実に病みます。
案の定、先日体調を崩してしまったときの、むなくそな記憶がよみがえって、リフレインします。
そんな時、Xでたまたま写真が流れてきました。
海外の方のアカウント。雲一つない晴れ渡る青空に、どこまでも広がる海の景色。
そして、ちりあくたのついていない、ぴかぴかで真っ白な建物。ブルーのドームのような屋根。
行ったことのないはずなのにどこか懐かしくもある景色。
それはギリシャのエーゲ海にうかぶ、サントリーニ島の写真でした。
でっかくおおらかな景色の写真を眺めていて、RPとかいいねとかしていると、ほかにもきれいないろんな海の写真が流れてきます。誰にも相談していないはずなのに、勝手に救われたような気持ちになりました。
そんな不思議な青色、もしも自分の創作で、心無い言動や不意の事故で傷ついた誰かの心を癒せるのなら・・・、と。
うまく再現したいものです。
調べてみました。
やはりスペクトラムのあるお話なので、様々なカラーコードが出てきますが、言葉の表現としての代表は、どうやら"コバルトブルー"のようです。
カラーコードは#0068b7、これをよく見かけます。
前回扱った、夜のイメージもある"瑠璃色"よりかは、こちらは明るみのある、そしてより鮮やかな"日中"の印象を受けます。もちろん、夜空に使っても、星空と対比した絵本のようにロマンチックな表現ができるでしょう。
補色は黄色系の色ですが、コバルトブルーの場合はオレンジジェイダイトや、マロン。オレンジ色のようです、補色例として#bc4900。
どうしてこのような真っ青な不思議な色になるのか?
………その理由は僕の思っていた方向と、その真実はちょっとしたギャップがありました。
まず、温暖な海、テチス海に由来した豊富のサンゴ礁に由来する石灰岩により、海岸や海底が白い。すなわち階層が少ない、そして乱反射しにくい乾燥した気候。
そして海の中の生物の環境が影響しているようです。
エーゲ海は、生き物があふれかえった美しき生命の世界かと思いきや、実は栄養が少ない、貧栄養の状態。すなわちプランクトンが少ないようです。海藻も比較的少ないのだとか。生き物が少ない、海の砂漠のような状態・・・意外です。水清ければなんとやら・・・。
というのも、ギリシャ、ローマ時代までは森林が生い茂っていたようなのですが、建築や造船など様々な用途で伐採されてしまって、土壌の栄養が少ない状態になったのが影響しているようです。
いろいろな考えがあるかもしれません。澄んだ海、という点には変わりはないでしょう。
青い空の色を澄んだ水を遠し、白き石灰岩でしっかり反射した色のようです。
そして、美術の話で言うと、エーゲ海の美術で避けて通れないのがクレタ文明ですが、これは紀元2000年くらいのもの。コバルトブルーが発明されたのは17世紀のラピスラズリをふんだんにつかったフェルメールより更に後です。
代表の画家、絵を描くなら、あるいは表現として用いるのであれば、これは知っておかねばなりません。
コバルトブルーを"神の色"と言った超有名な画家がいます。
フィンセント・ファン・ゴッホ。
ゴッホが描く夜空は黒や暗色というよりもきれいな明るめの青で、なんともロマンチックです。星月夜、ローヌ川の星月夜。夜のカフェテラスの夜空は大胆な色づかいで、夜空なのに暗い色ではなく、明るい夜空はずっと見ていられます。
ゴッホは、その末路に至るまで生前約2000点の作品を残しましたが、生前は時代が追いついておらず、業界は"黙殺"。生前に売れた作品は1枚しか売れなかった(研究では数枚だったという話も)様です。
今では誰もが知る名作には違いないし、どう見ても美しいと思える。
しかし、もしタイムスリップ転生して、いまの未来を全く知らない、当時の目でそれを純粋に見たらどう受け取っていたか、僕もゴッホの使うコバルトブルーに価値を見出せていたかどうか………正直わかりません。
作品の価値って、いったい何なんでしょうか。いろいろ技術が導入され、投稿され続けるweb小説サイトを毎日アクセスする僕も、考え続けなければならない議題です。
………ただ、価値をおいておくにしても、僕がエーゲ海のコバルトブルーに癒されたのは、事実です。
そしてゴッホの生きざまとその後の人々の活動が、創作を嗜む者として勇気をくれるのも、間違いないでしょう。
彼を理解した人が多く生きる今、コバルトブルーには、癒しだけでなく、比類なき忍耐や"揺ぎ無い意思"の力が宿っているかもしれません。
コバルトブルーのお話でした。
AI非使用




