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いちにちとして同じ日はないので  作者: みかん


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6/6

音雨

ざざざ


聞き慣れぬ音が耳をつき、目の前が急に暗くなった


つと、足を止めて


本から顔を挙げると庭からひょっこりはみ出した一本枝のの鬱蒼と茂ったところに顔を突っ込んでいた


電柱でなくてよかった


ひやりと水滴が頬を伝って落ちていく


汗かと拭う肘に冷たいものが触れた


見上げた空はもう泣き出していた


本を鞄に詰めて駆け出す


人の肌を思わせるつるりとした木肌の木の下で雨宿りをした


女性の如くしなを作り雨を飲み込む


少し不気味でそれでいて妖しい木だった


時折ぼとりと鞄に大きな雨粒が跳ねた音がするが


人の肌を思わせるつるりとした木肌の木の下で雨宿りをした


足元の木根から幹にかけて女性の如くしなを作っているように見える


大きな両翼は雨を飲み込む


その木は少し不気味でそれでいてなんだか艶かしかく、安心感があった


目の前は白くけむり、先がどんどん見えなくなって


時折ぼとりと鞄に大きな雨粒が跳ねた音がする


カエルがぽつりぽつりと歌を始めた


肩や二の腕はぴたりと貼り付いている


見上げた先にある大粒の水滴は我先に我先にと


加速しながら落ちる落ちる濡らす肩


カエルの大合唱と雨の音、木のあるはずはないがあると思わせる温もりに


重くなった瞼をそっと閉じる

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