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序-2 くらやみの中で
そこに、彼はいた。
恐怖、嫉妬、憤怒、憎悪、絶望、殺意。様々な『悪意』が彼を縛り付ける。抗うすべはない。くらやみの中で、彼はたたずんでいた。
いつから、自分はここにいたのだろう。
最初から。
自分は、『悪意』そのものかもしれない。なんて、彼は考えていた。しかし、彼は疑問に思った。
はたして『悪意』に、意思はあるのか?
叫び声、呻き声、鳴き声。銃声、肉の切れる音、骨の砕ける音。その中に答えはない。
彼は思った。ないなら探せばいい。
しかし、動こうにも、彼を縛り付ける『悪意』は振りほどけない。
腕を力み、足をよじり、体をねじり、もがいて、もがいてもがいて、彼はやっと前へ進んだ。
彼は知った。これこそ『力』。ただ一つ、強大無比な『悪意』に抗うすべだと。
彼は歩く。どれほどかかろうと、己が求める『答え』を、手に入れるために。
この物語は、彼の目覚めから始まった。




