Sid第二皇子
僕は第二皇子として生まれた。
僕は双子で、側妃の子だった。
僕には兄と、双子の弟がいて、兄はとても僕たちに優しかった。
それから、何年もたった。
今日は父上の命令で呪いの森に来た。
ロウジア神聖帝国はここを、神秘の森スイシュウと呼んでいる。
この国と神聖帝国は仲が悪い。
この森を燃やすのも、神聖帝国への当てつけもある。
もう一つの理由は、森の向かい側の国との貿易のためだ、
この森がなくなれば、反対側の国と貿易がしやすくなる。
それに父上はこの森が嫌いだ。
父上は聖女と愛しあっていた、知る人ぞ知る話だ。
でも、それを邪魔に思った第一皇子派の人間が聖女を殺した、
別に聖女と皇帝が愛しあっていてあまり問題はなかった、が、聖女は皇帝の子を身ごもってしまった。
第一皇子派の人間は男の子が生まれれば、邪魔になると思ったのだろう。
暗殺者は捕まえることができたが、聖女は死んでしまった後だった。
そして、聖女の子は呪いの森に捨てたと言うことだった。
聖女の遺体と一緒に。
聖女がこの国の貴族に殺されたこともあり、神聖帝国と仲が悪いのだ。
森に入り、火をつけようとする。
でもなぜか、火をつけようとすると、火が消えてしまう。
やはりこの森は呪われているのだろうか。
そう考えていると。
『入るな、この森から出ていけ』
急に声が響き渡った。
急なことで兵たちがざわめき出す。
この声の主がこの森の主だろうか。
もし対話が可能ならば、聖女の遺体と妹の遺体の場所を知っているのではないだろうか。
「主よ話がしたい」
しばらくして返事が返ってくる。
『皇子だけ奥へ進め』
少し進む、霧がかかってくる。
しばらくすると霧が晴れ、ローブを被った、子供のような見た目をしている“なにか”が現れた。