3侵入者
むぅ、もう朝か。
眩しい、そして何やらとても騒がしい。
どうしたのだろう。
この声はエーデルとヴァンかな?
「、ん、、」「に、、んがいる」「ど、し、う」「ど、する」「どうしよう」
「どうしたの?」
「姫様」「姫様が起きた」
「いつも言ってるけど、姫じゃない、で、何があったの?」
「人間」「人間が入ってきたの」
「子供?大人?どこくらい?どこに?迷ってるの?」
「大人」「大人だよ」「たくさん」「たくさんいるの」
たくさんかぁ、嫌な予感がするな。
めんどくさいな、警告して追い返さなきゃいけない。
2人が焦ってるってことはもう結構来ているのかな?
「どこにいるの?人間たちは」
「案内」「案内するの」
「ありがとう、後フラメとアクアはどこにいる?」
「偵察」「偵察に行ってるの」
いつも通り、エーデルの短い言葉を翻訳するヴァン、エーデルはあまり長くは喋らない。
しばらく、魔法で飛びながら移動する
「ん」「着いたの」
「案内ありがとう。フラメ、アクア、状況説明お願い」
「ああ」「ふぁぁーい」
右の方の元気そうな子がフラメ、眠たそうにしているのがアクア。
いや、いつも眠たそうにしてるな、アクアは。
「人間が入ってきたっていう情報が入ったんだ、だから見にきたら「そうそう何度か森に火をつけようとしたから火を消してやったらこの人たちが困ってた」、おい、今俺が喋ってるんだぞ」「別にいいじゃん?」
喧嘩しないでよ、いつも口喧嘩してるよね?この子たち。
「この人たち、どこの人かわかる?」
「ああ、ラ「ラウジアン」おい」
「こらこら喧嘩しない、はぁ、ラウジアン帝国かぁ、めんどいねぇ」
「ちなみに第二皇子が兵を率いてるみたいだよぉ」
「、、、ちょっ、サラッとすごい情報言ってない?アクアそこ詳しく!!」
「ンン、」「おい!!アクア、そこは言わなくていいだろ」
フラメは気を遣って私に言わないつもりだったのにアクアに暴露されたみたい。
一応私の腹違いの兄だものね。
母は殺されて、私はここに逃がされたのだから。
第一皇子派が私が邪魔になると思って、母を殺し、私は逃がされて助かったが殺すつもりだったのだろう。
当たり前だ、、、皇帝の寵愛を受ける聖女と皇帝の間に生まれた子だなんて邪魔でしかないだろう。
聖女は血筋だ。
聖女の血筋を持ったもののうち2,3百年一度聖女が誕生する。
まぁ、異界の聖女などの例外は除いてだが。
聖女の子が聖女などということはほとんどないだろう。
だがそいつらは知らないだろう、私がまさか神の瞳を受け継いでいたことは。
「追い返さなきゃ、ね」
「どうする?」「吹き飛ばすの!」「燃やしちまうか?」「水で押し返す?ねむぃ」
「みんなぁ、それじゃぁ死んじゃうよ?」
「弱い」「弱すぎるの」「弱いな」「弱いねぇ〜、ふわぁ〜」
「普通だよ!!私だって死ぬよ!!」
「「「「そんなことない」の」だろ」よぉ〜」
そんなことないのに。
まぁ、たしかに、風なら、壁作ればいいし、炎なら水かければいいし、水なら、蒸発させれば対処できる。
でも私も人間だ、死ぬときゃ死ぬ、、、、たぶん。
「あぁ〜!!めんどい!!なるべく死人が出ないように追い返さなきゃいけないけど、どうやる?」
「地面、攻撃」「向かい風で進めなくするの」「行手を火で塞げばいい」「zzzz」
エーデルは具体的に言ってくれないし、フラメの案は森が燃えるし、アクアは寝てる。
「ヴァンの案を採用します。」
「ん、」「やったの〜」「ちぇっ」「zzzz」
「もぉ、とりあえずまずは警告からかぁ、ヴァンお願い!」