1 人間は嘘つき
物心ついた時から私には家族という存在がいなかった。
でも私はひとりぼっちではなかった。
私は精霊と妖精によって育てられた。
精霊達は人間以上にいろんなことを知っている。
精霊は基本的に人間の前には姿を現さない。
でも私は他の人が見えない状態である精霊を見ることができた。
精霊達はおしゃべりだ。
色々なことを見聞きしている。
みんなに聞けば色々なことを教えてくれる。
妖精達はイタズラ好きだ。
よくイタズラをしてくる。
人間を違って精霊は嘘が苦手だ。
別に嘘をつけないわけではない、、、、でもとってもわかりやすい。
すぐに嘘ついているかわかってしまう。
目が泳ぐのだ、もう少し嘘をつくのが上手になった方がいいと私は思う。
私は他の人間と会話したりすることは滅多にない。
会話することがないわけではない。
近くの街に行って妖精達が欲しがるものを買ってきてあげたり、自分のものを買ってきたりする。
でもその時ぐらいにしか人間と喋ったりしない。
精霊も妖精も多くは人間が嫌いだ。
私も人間は嫌いだ、人間は嘘をつく。
私は嘘がわかる、私は特別だ、目で感情が読める。
頑張れば相手が考えていることを知ることができる。
人間はこの瞳を聖女の印とか、心眼とか言ったりする、らしい。
皮肉だと私は思う。
私にとってこの瞳は呪いだ。
知りたくなくても感情が読めてしまう。
だから私はこの瞳が嫌いだ。