19.感情
「感情」
自分にはいらない物で、関係のない物だと思っていた。
思っていた。
結局感情が戻ってきた。
ということは必要な物ということだ。
脳内の整理がつかない。
今まで感情がなかった副作用だろうか。
なんでいまこんなことを考えているのだろう。
「っ」
声を出そうとしたら激痛が走った。
流石に天野未来の体では全てを覆えるほど面積がなかったようだ。
左手、右足が一部欠損、左足がない。
右手は奇跡的にあった。
周りは砂埃のせいでほぼ見えない。
何だか体が蝕まれるような感覚がある。
これが怖いなのか。
一度は死んだことがある。
あの時はあまり何が起きたかわかっていなかった。
…前のように戻ればこういうことを感じなくても良いのだろうか?
でも、嬉しさを感じたからか、何だか戻りたくない。
…でもこの状態で生きれるのだろうか?
多分無理だ。
…医療係さんがいればいけるのか?
でも何かを治しているのを見たことがない。
少し不安だ。
「!」
突然目の前に人が現れた。
製造さん?
探しにきたのだろうか?
放たれた言葉は意外な、というよりかは予想もできない言葉だった。
「さようなら」
感情がのっておらず冷酷な声だった気がした。
能力のことを忘れてはいなかった。
(また会おう。)
頭の中を読んでもよくわからない。
すると体の一部からだんだん溶けていった。
なすすべなく消されてしまった。




