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正しい勇者の倒し方  作者: 冷田和布
人間の世界へ
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初日終了

「エドワード様は食事についてなんと言っていましたか?」


 報告に戻るとランフォード卿が私に聞いて来た。


「とくには何も……」

「料理自体は受け取ったんですよね。ちゃんと食べましたか?」


 やたら質問してくるな。

 そんなに気になるなら自分で持っていけばいいのに。


「とりあえず、持っていた分はぜんぶお食べになりました。少し足りなかったみたいですが」

「それは良かった。放っておくとろくに食べないまま鍛練を続けるので心配なんですよ」


 相変わらず王子のことを心配してるみたいだ。

 なんだかランフォード卿が“おかん”に見えてきたぞ。

 割烹着とか着せたいわー。


「いま、何か失礼なことを考えていませんか?」

「いえ! そんなことはありませんです!」


 あっぶなー。

 ひとの心の中を読まないでほしい。


「他に、何か言っていましたか?」


 何かって言われてもなー。

 終始偉そうに命令してたくらい。


「あ、そうだ。明日も外で食べるから“お前が持ってこい”って」


 ランフォード卿の眼鏡がキラリ光った……ような気がした。

 私、何か変なこと言っちゃっただろうか。


「では、殿下のご要望通りに。昼は今日と同じように外でも食べやすいものにしてください。私も同じ物でかまいません」

「わかりました」


 私は一礼して立ち去る。


「やはり、雇って正解でしたね」


 部屋を出る間際、ランフォード卿がそう呟くのが聞こえた。


 *  *  *


「で、どうなのよ勇者様との生活はっ」


 お店に戻るとアンたちにとっ捕まって質問攻めが始まった。


「どうもこうも、食事作って出してるだけだって」

「若い娘を連れてきてそれだけで終わるわけないでしょ! 裸にひんむかれて四つん這いでイス代わりにされるとかそういうのあるはずでしょ!?」

「んなもんあるか!」


 あんたは勇者をなんだと思ってんだ。


「まあ、アンの妄想は置いといてもさ、屋敷には他にも使用人がいるのに、わざわざアリスをご指名した理由くらいありそうじゃない?」


 リズの疑問ももっともだ。

 ランフォード卿には屋敷のメイドではダメな理由があるのかもしれない。

 もしくは、エドワードに……。


「私もよくわかんないんだけど、どうも勇者様は人嫌いっぽいのよね。ランフォード卿以外は近寄るな! って感じ」

「じゃあ、アリスも?」

「私は……そんなことないけど」

「ほら、やっぱり気に入られてるんじゃない」


 リズはニヤニヤと笑いながら言った。


「だから違うってば。許容範囲? みたいな? 食事を持ってくるだけなら許してやるって感じ。会話だって『おい』とか『お前』とか『どっか行け』とかそんなんだもん」

「なにそれちょっと羨ましい……」


 物欲しそうに指を咥えてる出戻りアラサーは放っておこう。


「それで、聖王国の料理は教わったの!?」

「え……いや……教わってない、けど……」

「そんな……!」


 世界が終わったかのような顔をするメイ。

 ていうかあんたそればっかだな。

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