第一章新たな戦い(ライカル)その8
すいません。主人公の書き方が分かりませんでした。
ラストラン軍本隊~昼頃~
「何度も呼び出していただけるとは、しっかり答えねばなるまい。」
「そうだね、バルディア。」
「今回はどんなのだろうね?猪女さん。」
「ほぉ、「自称」博識なジルク殿でもわからないとなると、これは私めには皆目検討つきませんなぁ。」
「貴様らはいざこざを起こさねば気が済まんのか?どちらも名家の出であろうに」┐(´д`)┌
いつも通り五人が騒ぎながら大天幕に向かっていると、同様に此処に配属された特殊士官二名が歩いてきていた。双方が大天幕に着くと他の諸将は揃っており、彼らを待っていたようでかなり気まずくなってしまった。
それもその筈、ラストラン将軍が明らかに不機嫌そうだったのだ。普段なら好好爺なのもあいまり、この差は長年ラストランの指揮に従って、戦っていた諸将でさえ、気まずくなってしまうほどだ。
「時間がない故に、すぐ終わらす。今回ばかしは、質問は最低限にせよ、できる、できない等は興味がない。」
普段より低音で抑揚の少ない声、彼から聞いたこともない命令口調、彼らは、さらに緊張が高まった。
「まず、ラスカス付近で起きたカーセン軍四万と「双璧」率いる五万の戦いはカーセンが大勝利を収めた。」
諸将に安堵の声、気の抜けた雰囲気が広がった。が、次の言葉で全てが覆る。
「指揮の低下を恐れた連合軍が此方に向かって進軍しており、それに対応するため、カーセン軍、ノヴァ・カスノフにいる軍と広範囲に散らばった小隊を集結させ、我が軍は決戦に踏み切る。が、北部軍のシャベリ殿からの急報で、公国の貴族達の連合軍が侵攻を始めたそうじゃ。敵は烏合の衆のため、今は防げているが、数が多く、長くは持ちそうにないとのこと。その為、この決戦は三日以内に終わらせる。我が軍の勝利でだ。」
諸将は耳を疑った。何故ならば、戦場に絶対を求めないラストランが三日で終わらせると言い切った為である。
「閣下、失礼します。」
「許可を今回だけは取らんでよい。さっさと言わんか。」
「ッ、は、敵は五万の軍が離脱したとしても、十五万です。それに対し、我々は十三万いるかどうかです。これを三日で終わらせるのは、厳しいと思われます。」
「わかっとるわ、その為何がなんでも、先手を打つ。即ち、十二指槍を筆頭とした攻撃特化の軍を編成し、敵軍へ、襲撃を仕掛ける。さらにそれを確実なものとするため、残りの兵の七割程で、此処に防御陣形を敷き、相手に我が軍との衝突地点を誤認させる。強襲軍、防衛軍どちらにも入らん軍は強襲軍の突撃が終わり、乱戦になったときに参加させよ。」
「は、分かりました。偽装軍はいかがいたしますか?」
「強襲軍は初日でかなりの疲労をするため、二日目を偽装に使った軍と、どちらにも属さなかった軍の動ける者で守る。良いな、此度は特殊士官だろうと死地に送り込む。生き残りたくば、しっかり指示に従え。無駄死にだけはさせんように尽力する。」
「他に何か無いようなら、詳しい作戦を伝える。」
「まず一次強襲軍だが十二指槍の九千と本陣を固める騎兵四千騎を予定しておる。偽装軍は特殊士官の隊や、重装歩兵等の十万ほど、二次攻勢を仕掛ける軍を騎兵五千、軽装歩兵五千、重装歩兵七千だ。カーセン軍らと二日目に合流し、三日目にけりをつける。」
その後も諸連絡があったが、日が沈み出すと、解散となり、一次強襲軍、二次強襲軍の面々が忙しなく動き始めた。
そして、完全に日が沈み、月が空を彩り、どこかしみじみとさせる雰囲気の夜。
「閣下、連合軍は歩兵に会わせた足取りの本隊と偵察などを兼ね揃えた先方隊にわかれており、現在ここから、徒歩で一日ほどの距離にある元は公国の都市だった廃墟スルーネズに本隊が、そこから徒歩で数時間の距離にあるサロン荒野に先方隊がいるそうです。」
「よくやった。両強襲軍はもうでたが、先方が荒野にいるのなら先方隊に見つかる可能性があるが、まぁうまくやるじゃろ。」
「それよりも、朝一で軍を布陣させるため兵を休ませよ」
「は。」
決戦の時は近い。(多分)
誤字脱字の報告、意味のわからない文章の指摘をよろしくお願いします。多分主人公が近々出るはずなんです。ちょっと待っていただけると幸いです。