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地球とは違う世界の物語  作者: 週刊M氏
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第一章新たな戦い(ライカル)その4

戦いまでもうしばらくご辛抱下さいますよう、深くお願い申し上げます。

「よし、皆も揃ったことじゃし、もうよかろう。」


「はッ、承知いたしました。  これより、連合軍戦への作戦会議を執り行う。現在は小国地帯より出陣した、連合軍約二十万が、我らが四帝連合の地を奪い取らんと進軍している。此度はそれに対応するための会議である。時間的な余裕は少ないが秩序を保ちながら活発な議論を期待する。」



ラストラン将軍の副官カーセン軍団長の宣言により作戦会議は始まった。

開幕直後は連合軍の陣容が伝えられたが、指揮官の名等が出てくると、諸将の顔色は一変した。


「なっ、それは真ですか!?」


「軍神と言えば帝国南方にて「黒槍」と互角に渡り合ったと言うではないか。」


「いや、双璧も侮れん。あの二人の揃った戦いでは、攻守の役割分担による連携がひどく厄介だぞ!」


「いや、まずはその数だ。」


「いや、~~~」


「だが、~~~~~~~」


流石に北方で鍛え上げられてきた歴戦の諸将といえども、二十万という数と名を世界に轟かす名将達の名は落ち着けるものではなかった。


「なぁ、軍神ってあの帝国南方で殲滅戦をやってのけたあの軍神?」


「ああ、筋肉に頭まで侵された貴様にしては、よく知っているな。」


バルディアの問いにいつも通りに嫌みをつけて答えるレーズリーだがその言葉は心なしか普段より僅かに震えており、軍神等、世に名将と言われる将の戦いの詳細などをよく調べていたレーズリーはこれから起こる戦いへの不安で冷や汗をかいていた。


そうして会議が乱れ始めた頃、遂にこの漢が口を開いた。


「落ち着けぃ皆の衆。我が軍の目標はケルメルデをはじめとした要衝を取られぬことにある。確かに奴らは我々の間でも聞こえてくるような名将なのであろう。 がッ、我が軍は地の利がある。此処から一日ほどのところにあるガストロフ要塞等を活用し、おおよそ戦線とは言い難い地域より援軍を募れば、数についても、大幅に差を埋めることができるわいッ。貴様らそれでも軍人か、この危機の中、一瞬でも無駄なことをする余裕があるという者は居るまいな!」


今回の四帝連合軍指揮官ラストランその人である。その渇により、作戦会議は落ち着きを取り戻した。この貫禄、たとえ四将であろうとも持てるものではない。これが、長年軍の指揮官としてこの北方で君臨してきたこの漢の戦歴の証である。


これには、ラストランを軽く見ていたシャルル、レーズリーも認識を改めずにはいられなかった。長たるものは、部下をまとめることも、立派な素質である。その事を、未熟なライカルたちは認識できた。これは、立派な財産となる。


「今戦いの戦略であるが、わしはガストロフ要塞を中心に、広範囲に渡った連携的な防御を考えておる。それについての意見はあるかのぉ?まあこれ以外の考えも出してくれて構わんぞ。寧ろ出せぇ。」


「恐れながら閣下、ガストロフ要塞を中心とした広範囲に渡った防衛ですが、どの程度の範囲でしょうか?」


「おおよそ、最北の町ラスカスから、レバァ=カスノフまでじゃ。敵方の狙いは、二十万も居るのだ、確実に北部最大都市ケルメルデである。公国戦では、シャーロック将軍率いる連合軍が情報操作によって踊らされたのだが、小国地帯の奴らに情報操作をして、我が方を貶める能力等、有りはせん。広範囲に渡った戦闘でも十分に連携可能と考えた次第じゃ。」


「では閣下、敵の将たちについてはどのような対処をお考えで?」


「貴様ら、少しはワシの手を煩わせんようにとか無いんか?」


「申し訳ございません。しかし、軍神はともかく、戦地での双璧は止める術が思い付かず。」


「まぁ良いわ。奴らに関しては、広範囲に持ち込む以上、どこに現れるかは、はっきりいってわからん。その為、奴らに当たった軍がすぐさま、近くの軍に連絡を取り、そやつらが潰れ役になることで、他の軍を自由にさせ、全体で押しきる。たとえ奴らがいかに強かろうと、その手が届かんところにて勝利を決すのだ。」

 

「ということは、閣下ッもしかし「その通りじゃ、奴らを止めることは不可能ではないが、いささか数が心許ないでの。」


「まぁ、二日もすれば奴らも全体で押しきろうとしていることに気付き消極的になるわい。」



(なるほど、止めるだけが対処方法じゃないのか。それに、意味のない消耗戦ではなく、しっかりとした意図がある戦いかぁ。すごいな。)


そして遂に、ラストラン軍が動き出した。領土を掠め取らんとする連合軍と守る四帝連合軍。どちらの方に勝利の女神は微笑むのであろうか?

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