適材適所
オーガを討伐した後カロさんを何とかなだめて再びパーラルの街まで報告をする為歩みを進めた
「なぁ、バッツ…アンタのスキル「分析」だっけ?斥候時や状況判断には便利そうだな」
「はい、初めて試したんですが目標の情報が見れるのは状況判断として使えそうですね…それにしても宝槍は改めて凄い威力を発揮しますね……」
「あぁ、私のスキルとの相性もいいから助かってるよ。それ以外に初動が素早く動ける小人族ならではの戦い方にも合ってるね」
「レイレテさんのスキルってなんですか?」
「手に取った武器を自在に操れる加護「適合」だよ、最も、剣は懐に入らないといけないから小さな私にゃ不利だし弓も射角が取れないから飛距離も伸ばせない……槍が一番身体に合ってるのさ」
ー成程……一応試したのかな?小柄なレイレテさんが短剣を一生懸命敵に向かってプルプル振るところは可愛いかも……
「おいバッツ……何ニヤニヤしてるんだい」
「いや、おほん……試しに宝槍を持ってみたいのですが良いですか?」
「カロ〜いい?」
「はひっ!?はっっはい……こんな物で良ければどどどうぞどうぞ」
「だって、私とカロ以外持ったことないからどうなるか分からないから注意はしてね」
そう言ってレイレテはポーンと宝槍を投げ渡す
それをむんずと掴むと身体全身からチカラが抜け落ちるような感覚が走る
「あ……これマズイです……」
バッツはボソリとつぶやき膝から崩れ落ちそうになる中、とっさに宝槍を放り投げる
「あ、ごめん…風の魔石はめ込んだままだったわ……」
ーそうか…カロさんは魔石を生み出してるから、そしてレイレテさんはスキルでそれを扱えるから二人共なんともないのか……
プルプルと産まれたての子鹿のように四つん這いになり、なんとか倒れ込むのを留まったが再び歩き出すまで数時間時を必要としてしまった
その間魔物や盗賊に遭遇してはいい獲物になってしまうので元に戻るまでレイレテさんとカロさんに警備をお願いしたが、三人とも朝食をとってないので腹の音が合唱のように鳴り響いていた