街中
城門には兵士と見られる人が複数人立っており、通行する荷物や身分をチェックしている様に見えた
ーまぁ、この街を起点に物資流通や警戒警備してるって事は前に思った事当たったかなぁ……
「ナーサムさん、遅かったですね」
バッツは荷馬車から顔を出してふと見ると、兵士のが微笑みながらナーサムに話し掛けていた
「街道脇でゴブリンに襲われてしまって…危ない所を近くを通りがかったバッツさんに助けて頂いたんですよ」
「そりゃ大変でしたね…大事に至らなくて良かった」
「えぇ、それもバッツさんのお陰ですよ。あぁ、今回の荷物は……」
ーなんだかんだと荷物のチェックと身分証が始まってしまったので、ここらで別れた方が良さそうかな
「乗せて頂いてありがとう、自分はギルドにでも寄っていくよ」
「そうですか、本当にありがとうございましたぁ。城門の近くの商業区画に家がありますので用事が済み次第寄ってくださいね!」
「あぁ、またね」
ファリにそう告げると、立っていた兵士に村の身分証と入場料金を支払い街の中に歩みを進める
「おー、すげーな……エルフや獣人も普通に生活してるのか」
街の中は露天が所狭しと並んでおり、果物や野菜、武器や衣服などなど様々な物資が並んでいた
通り過ぎるは人族、エルフに獣人や小人族……村では人族しか居なかったので興味や生態に思考が持っていかれる
ー比較的裕福なのか顧客や来訪の回転率が良いのか…教会も見えるから貴族も居そうだな……
物珍しげで活気のある街並みにキョロキョロと見回していたら、「パーラルは初めて来たんですか?」と後ろから声を掛けられた
振り返ると槍を肩に担ぎ、血が滲んでいる袋を手に持ってる少し小さめの女性がキョトンとした表情で立っていた
「あぁ、初めて来たんですが活気に驚いてしまって……冒険者ギルドの場所を探してるんですが……」
「あら、私も今行こうと思ってたから一緒に行きましょう」
「助かります、その袋は何ですか?」
「これ?ゴブリンの討伐依頼を受けてて、討伐証明のゴブリンの耳よ」
「ふーん……ここの地域はゴブリン以外に魔物ってどんなのが出現するんだ?」
ギルドへと歩みを進めながら槍の女性に気になった質問を聴いてみる
「うーん、森にはゴブリン、オーガ、ウルフにツノウサギかな……湿気付近にはスライムやキラービーなんかも居るから……」
ー結構魔物が居るようだ……ここに一旦留まって魔物の素材を集めてみるのもいいかもなぁ
「ここが冒険者ギルド、私も討伐報告があるからじゃーねー!」
槍の女性はニコッと笑いながら血の滲んだ袋をフリフリさせてカウンターに向かっていった
血の袋を振るっていう動作は見てて良い感じはしないけど慣れなのかな?
「さてさて、登録をさっさと済ませますかね」
ギシギシと床鳴りをさせながら、ギルドの職員であろう人のカウンターに歩いていく……