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大人への不信感を生んだ「学級崩壊」

 小学五年生のころ、担任の先生が新人の女性の先生になりました。

 授業が始まってすぐ、違和感に気づき始めました。授業の進度があまりにも遅く、男の子たちは騒ぎ始めました。酷くなると先生が授業中に泣き出したり、生徒たちの騒がしい声を聞きつけた他のクラスの先生や教頭先生、校長先生が教室によく来るようになりました。授業中は紙飛行機が飛んで、蛍光灯が割れて、教科書に落書きをし、手紙を回し、読書をしている子が「えらい」。授業時間外はいじめが頻繁に起こるようになりました。

 後期になると担任の先生は変わり、授業ごとに色々な先生がやってくるようになりました。国語は教頭先生が、理科は校長先生が、美術は生徒にセクハラを起こして転勤寸前となっていた男性の教師が。今思えば学校全体でできる限りのことをしてくれていたのだと思います。

 それでも生徒たちは、クラスの外の人達、特に「おとな」を嫌っていました。先生たちは自分たちを叱る。親も自分たちを叱る。他のクラスの友達にさえ「あのクラスの子たちは性格が悪い」と悪口を言われる。ただ与えられた環境でなるようになっただけなのに、責められるのは自分たち。周りへの不信感だけがつのって、行き場のない自尊心をいじめでしか埋めることができませんでした。

 さて、私の人格を主に形成したのは家庭です。ここでも家の話が出てきます。私はある日、「〇〇ちゃんが授業中に絵を描いてばかりいる。ずるい」と言いました。先生にも注意されないのだから、親に伝えるしかありませんでした。すると父親は私の両腕を掴み、体を揺さぶりながら、私に「ずるいなんて言うな。勉強しろ。真面目に授業を受けろ」と言いました。その一件で、私は「親すら頼りにならないんだ」と絶望しました。

 当然授業はまともに進まないわけですから、学習にも遅れが生じます。みんなが国語の授業で呼んだ題材の中でも、知らないものがたくさんあります。私は親に塾に入れられました。塾には、そこから高校受験までお世話になりました。

 唯一、私をそこから救ってくれた友達がいました。他のクラスの女の子で、小さなメモ帳に手紙を書いてくれた子がいました。そこには、「あなたがこんな子じゃないってことは私が知っているからね」と書いてありました。その子とは色々なことがありましたが、その後しばらく交流が続いていました。

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