表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/16

感情/帰省しようと思う年末

 小さいときから、家ではなるべく怒られないように感情を出さないようにするようになっていました。学校でも他人との関わりが怖くなり、なるべく人には優しく、それ以外の感情は向けることがないように努めていました。

 大学生になって一人暮らしが始まり、一人だけの部屋を手に入れて、どんな感情を出しても許される環境になりました。泣いても暴れても怒ってくる人はいないけれど、それを受け入れてもらえる年齢はもう終わってしまいました。自分の機嫌は自分でとらなくてはなりません。

 母によく「あなたが泣いたところをあまり見たことがない」と言われました。父親に殴られて泣いてばかりだった弟や、わがままを言って泣くことの多かった妹と比べ、おねえちゃんを押し付けられた私は泣くことを押し殺して生きてきました。

 最近はよく、常に泣きそうになってしまいます。笑えることはないけれど、ちょっとしたことで泣くようになりました。

 仕送りが家から届いた時、食べれもしない食事やお菓子が母から送られてくるたびに泣いてしまいます。課題が出されたり、家族のことを思い出したりすると、母に会いたい感情と父親に殴られた記憶がごちゃごちゃになって涙が溢れてきます。この前母と弟に会ったときは、帰りの電車で大泣きしてしまいました。

 今まで抑えてきた分が耐え切れなくなってきたのだと思います。


 演劇で感情を表現するとき、今までの人生でしてばかりいた「感情を出しているフリ」をしてしまっているのだと思います。それが正しいのか否か私には分かりませんが、表現したいものをできない歯痒さのようなものに最近は少し悩み始めています。


 今年の年末は、久しぶりに帰省をしようと思っています。去年の年末は友人と過ごしたのですが、一人で食事をとることがまともにできなくなってきたので実家に帰ることにしました。精神科に通っていることを伝え(実家ではしばらく家族会議があったりして母が起こられ続けているそうですが)、未成年の娘が自殺を考えるほど思い詰めているのですから、父親も少しは私に優しくしてくれるかもしれません。ほんの少しの希望を持って、休むための帰省をしようと思っています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ