楽に、自己中になること
小中学生の時の私は酷い心配性でした。例えば忘れ物はしていないか、朝何度も鞄をひっくり返していました。いじめられたことが多く、友人の顔色をうかがってばかりいました。大人からの好感度を下げまいと礼儀には気を使いました。おかげで中学生になると「真面目」のレッテルをいただきましたが、精神的なストレスは異常にかかっていたと思います。
高校生になり、山のような課題を出されることで少し吹っ切れました。雑にやらなければ私にはこなせなかった課題のおかげで、私は初めて手を抜くことを覚えました。深夜まで友人と愚痴を言い合って、学校では意味のない話で笑って、少しずつ「真面目」な自分から抜け出していきました。辛いことはたくさんありましたが、家庭以外の悩みはほとんど簡単に片づけることができるようになりました。
大学生になった私は、突然自分と向き合わなくてはいけなくなりました。自分のやりたいことをやりなさい、と人生で始めて指示されました。
ある時は母が「進学しても就職してもいいよ、楽な方を選びなさい」と言いました。
そして勉強熱心な友達は、「自分のやりたいこと以外どうでもいい。自己中でいい。口出ししてくる人とは関わらなくていいと思っている」と教えてくれました。
今の自分は何も考えられません。ただ言われたことだけを、大人に受けのいいことだけをやって来て、将来の夢を口にしたことはありませんでした。
まだ自分は「楽」にも「自己中」にもなれません。
今日も「病気さえ治れば見つかるだろう」と、今までと何も変わらず、逃げ続けています。