スキルカード
「このカードはなんじゃ?薄っぺらくて銅メダルみたいなを色しとるのう」
これの使い道だけがさっぱりわからん。
掲げてみたり 振ってみたり 壁に思いっきり投げてみたり。
ただ一つわかったことがあるとすると、これめちゃくちゃ頑丈だ。
儂が思いっきり壁に投げても傷一つつかなんだ。
逆に壁の方が割れたから、これは投げて使う武器なのか?名前も表示されないからお手上げだ。
「とりあえずこれは投げて使うか」
そう結論づけ、投げやすいようにズボンのポケットに入れようとしたところ、
《Rスキル『ショルダータックル』取得しますか?》
変なアナウンスが頭の中に響いた。
「はっ?なんじゃこれ?どこから喋っとるんだ?」
周りを見渡すが誰もいない。
何のことだ?スキル?何故急に?儂何かしたか?
ふとポケットに直そうとしたソレに目がいく。
「まさかこれか?」
いや、そうとしか考えられない。
「まさかこれは投げて使う道具じゃなくてスキルを覚えさせる為の道具だったのか!?」
それなら納得がいくのだ。投げても壊れないし、さっきのアナウンスは『Rスキル』と言ったはずだ。
Rスキルということはレアということだろう。
相場レアは銅色、スーパーレアは銀色、超スーパーレアは金色と決まっているからな!
大半は儂の偏見だが………
「なるほど。ということはモンスターを倒すことでスキルを覚えることができるカードをドロップすることもあるという訳か。」
スキルを覚えることによって一般の人間でもモンスターを倒せる可能性があるという訳か。
だが問題は2つある。
1つはレアよりも上のスキルカードがあるのかということだ。
スーパーとかレジェンドとかあればこんなモンスター達を簡単に倒せそうだが、逆を考えればそれぐらいじゃないと倒せないぐらい強いモンスターもいるかもしれないということだ。
そして2つ目は、このスキルカードを巡って醜い争いが起きないかということだ。
だってそうだろう。カードを使えば人知を超えた力を手にすることだって可能な訳だ。
善人が強くなるとは限らない。それを悪用しようとする奴は必ず現れると思う。
「まぁ、今考えても仕方ない。現れたら考えるとするか。人に迷惑をかけるならぶん殴るし。」
簡単な話だ。『人様に迷惑かけるやつはまずは注意する。それでもわからんやつがいればぶん殴ってでも止めてやれ。』
爺ちゃんが昔よく教えてくれた言葉だ。
今それを実行すると儂は人殺しになってしまうから殴るときはほどほどにしないとな。
「さて、それよりも何だ?Rスキルがなんちゃらとアナウンスが流れておったのう。もう一回流れんのか?」
とりあえずもう一回流れないかカードを振ったりする。そしてカードを儂の体に当たった時変化は起きた。
《Rスキル『ショルダータックル』取得しますか?》
「おお流れたぞ!それと『ショルダータックル』?要はタックルのスキルってことか?」
よくわからんがとりあえず取っておくに越したことはないか。
「ここからどうしたらいいんだ?取得する、とでも言えばいいのか?」
《Rスキル『ショルダータックル』を取得しました》
「あっ、何故か取得出来たぞ」
そしてスキルを取得したことにより手元からカードが消え、儂のステータスに変化が起きた。
東雲 雲竜
【ジョブ】 ステゴロウォーリアー
【HP】 890
【MP】 0
【筋力】 690→740(+50)
【耐久】 480
【魔力】 0
【敏捷】 200
【知力】 120
【スキル】ショルダータックル
【固有スキル】 剛力無双
スキル蘭が増え、そこにショルダータックルと記入されていた。
「スキルが増えたな。」
それともう一つ気になることができた。
「それにスキルを覚えられる上限は1人だけか。消えるのがその証拠だ」
スキルを覚えた途端、儂が持っていたカードが光の粒子となって消えた。だからこそカードは早急に使うか、取られないように大切に保存するの2択だな。
「まぁそう簡単にドロップするものでもないだろう。儂は偶々運がよかっただけだ」
でももしかしたらこれからめちゃくちゃレアなスキルとか装備がドロップするかもしれない。
その場合狙われないようにもう少し強くならないとな。もしかしたら儂より強い輩もいるかもしれん。
「よし!頭使う時間は終了!まずはこのスキルが使えるかどうかの検証じゃ!」
しかしスキルの使い方がわからん。
これは一体どうやって使うんだ?
「スキルの説明とかあるのか?剛力無双の時は出たが……」
とりあえずステータスボードのスキル欄をタッチしたりしてみる。あっ、出た。
「えっと……『ショルダータックルと言いながらタックルすると補正がかかる』と。」
うん。タックルに補正がかかるのはいいことだが、言いながらではないといかんのか……
まぁ、言うは易し。とりあえずやってみよう。
とりあえずこの駐車場の近くにあった木に向かって使ってみるか。
ショルダータックルと言いながらタックルするんだよな……。誰も見てないな。…よし!
「ショルダータックル!」
儂はそう言いながら木にタックルした。
ベキベキィッ!!
木が根元から真っ二つに折れた。
「マジか……まだそんなに力を入れてなかったんだが……」
そう、まだ信じた訳ではなかったから軽くタックルしたつもりだったのだ。それがこの威力である。
「これは人には使わないでおこう…」
そう心に誓った雲竜だった。