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八:深淵の森

 

 仕事の話がまとまったあと、私たちはリビングへ移動し、住み込みで働く2人に、色々と館の案内などをしていた。


 2階の客間を1人一部屋使ってもらい、作業着なども2階の奥にある大きな衣装部屋から好きなものを使ってもらうようにした。


 それ以外にセエレが筆記具なども準備して、あとは、好きに過ごしてもらうようにする。


 アタシはその足で寝室へ戻り、メシアを起こしてから階下にて顔を洗ったあと朝食を作り始めた。



 今日の朝食は、採れたてのお野菜を使ったサラダに人参モドキで作ったドレッシングをかけ、

 捌いたマグロを竜田揚げにし、醤油ベースのとろみソースを作り、無限の腕輪から出した小麦粉等で作った生地を、魔道IHで熱した大釜の壁面に打ち付けて焼いた大きめのナンモドキを大量に用意、それに刻んだキャベツモドキと竜田揚げ・醤油ソースを挟んで、簡単なナンドッグ(厚めのツイ○ターのようなもの)を作り、

 最後はお野菜のコンソメスープを作って、完了!


 同時進行で作って行ったので、そんなに時間はかかっていないが、途中の配膳からよっすぃ~が手伝ってくれたので、更に早く朝食の準備を終える事が出来たのだった。



「おーい!朝御飯できだぞー!!」


 まだゆっくりと顔を洗ってるメシアに届くように声をかけ、先に到着したセエレも渋っていたが席に座らせ、とりあえず二人に尋ねる。



「・・・で、何で二人ともメイド服なの?」


 そう、よっすい~もセエレも、何処にあったのか女性用のメイド服に身を包み、目の前に座っていたのだ。

 なお、よっすい~は動きやすく改造されたクラシカルメイド、セエレは膝上丈のシンプル装飾なメイド服を着こなしていた。


「私たちは心の戦友といえどお仕事を頂いている身なので、住み込みで働く以上は格好だけでも揃えた方が良い、と彼女と意見が一致し、このような装いになりました。

 どうです?似合うでしょう??」


 ちょっとドヤ顔になる2人。確かに、とても身のこなしに合う服装だ。


「うん、とても似合っている。これから、この家を宜しくお願いします。」

「ふふ、お任せください。」


 2人が笑顔でそう告げると。



 ーーーとっても久しぶりの、エターナルブリザードが扉から巻き起こったのだった・・・・






「ふぅん、なるほど!じゃあ今日から協力してくれる、お仲間だったのね!早とちりしてごめんなさい、宜しくお願いします!!」


 メシアを落ち着かせて説明し、皆で朝食を食べながら更に経緯を説明して自己紹介をしたら、メシアは笑顔に戻った。


「奥様の誤解が解けて何よりです。よっすぃ~が警護、私が館や農園の管理を担う事になります。宜しくお願い致します。」

「奥様・・・うん!セエレくん、よっすぃ~さん、メシアも色々お手伝いするので、何かあったら声をかけてねっ!」


 満面の笑みで受け入れるメシアに、一安心する。

 その後、和やかに朝食を終え、2人は早速お仕事に向かった。

 アタシはサクッと片付けをしたあと、メシアと一緒に館の外にある森へ、お出かけすることにした。



 手をつないでプラプラと、森に住む動物やその奥に棲む魔獣とテイマースキルで会話して仲良くなり、少しこの世界の事を教えてもらった。


 彼らが知っている事としては、山と森に囲まれるような形で更に中央に山がある盆地のような地形でひとつの国があり、真ん中の山で区分けされて町や村があり、山の向こうに沢山の建物や大きい建物が密集しているとの事。


 国を覆う山脈が高すぎて、他の魔物はなかなかこちらに入ってこれない事。


 内側の森では、沢山の果樹や植物が豊富なので、動物も魔獣も共存しているが、唯一あの町からやって来た鶏が大量繁殖してとても困っている事。


 森の奥に、迷路のような洞窟があって、そこから時々出てくる魔物が凄く強くて、会話も通じないので森のみんなで一緒に戦って退治している事。


 町に住む人間は、恐がって森に入って来ることはないが、稀に外の国からくる人間はこちらに攻撃をしてくるから注意が必要なこと、など、彼らは基本、平穏無事に森で生活している旨伝えてきた。


 なので、彼らに感謝すると共に、彼らの困り事を何とかする依頼をうけて、アタシは館へ帰る途中で半ば野生化した鶏を大量捕獲し説得して引き連れて、ついでに鶏の卵も一緒に連れて帰った。


 そのまま、メシアと鶏と一緒に館の裏にある厩舎へ向かい、奥の隅に卵を次々と置いて、あとは鶏たちにお任せする。


 そんな騒ぎを聞き付けて、セエレが顔を出した。


「これはまた・・・沢山の鶏がおりますね。」

「ああ、森に逃げ出して繁殖していたらしい。魔獣たちが、踏み潰しそうで怖くて、迂闊に闊歩できないって困ってたから、連れてきた。」

「ふむ・・・では、彼らの生む卵は、宿代として一日にいくつか貰ってもよろしいのでしょうか?」

「うーん、それは鶏の長に聞いてみないと・・あ、いた。キング!こっち来て!!セエレ、後は話して決めて。」

「はい。私もテイマースキルがありますので、彼と話をしてきますね。」


 鶏の長:キングという、少し闘鶏の小國に似た出で立ちの立派な闘鶏が此方へ来る。

 セエレは近寄って話しかけ、色々と取り決めを交わしている。


 アタシとメシアは、その場を後にしつつ、懐いてきた幼い鶏と遊んだあと、牧場の外まである結界の強さを少し上げて、館へと戻るのだった。





なお、このあと牧場によっすぃ~も合流し、雄の闘鶏達を鍛え上げ、最強の警備鶏へと進化させる模様です。

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